観光客向けのレストランは好かん。
たいていの場合、量が少なくて大して旨くない上に料金も高いからである。
昔から屋台や地元民向けの食堂、スーパーの惣菜などを好んでいたが、トルコを旅した時にその傾向が強まった。
カッパドキアのレストランで、犬の睾丸大の干からびたキョフテ(トルコ風肉団子)が3個とポテト10本、少量の米と申しわけ程度のサラダが鎮座したプレートが約600円。
あまりに貧相で、アルメニアやジョージアの安くて旨い食堂が恋しくなり、奇石の影に隠れて一人、泣いた。
世界三大料理の名誉は、この金たまキョフテの思い出によって汚されてしまったのだ。
そもそも、いわゆる庶民と呼ばれる階層の人々が安くて旨いメシを喰っている横で、観光客を餌にするような腐れレストランに行くこと自体が非合理的極まりない。
相澤先生のクラスだったら除籍処分になっている。
今回は、中央アジア屈指の観光都市・サマルカンドで通った
ローカルな食道を紹介したい。
宿のオーナーにCheap and Tasty Restaurantと教わったので、ハズレはないだろう。
なお、店名はстарый городである。
Information
訪問日
2023年5月
住所
MX3H+6GR, Samarqand
営業時間
9時〜23時
定休日
月曜日
メモ
店の入口に書いてあるStariy gorodでグーグル検索すると、閉業と出てくる。(同名のホテルがあった模様)
検索時はстарый городの方が良い。
アクセス
レギスタン広場から徒歩5分
Panzhakent Roadを、道を挟んでレギスタン広場を右手に見ながら歩く。
Panzhakent Roadにはミニマートやファストフード店などが多くあるので、観光客でもお世話になることだろう。
ミニバスの乗り場にもなっている。
この看板のところで路地へ入る。
↑別アングルから
メニュー
ウズベキスタン料理のバリエーションは多くない。どの食堂やチャイハネでも大体同じ料理を安定して楽しめる。
この店でもシャシリク、ラグマン、プロフといったお馴染みの料理は扱っているので、とりあえずウズベキスタンのローカルな飯が食べたい人にはピッタリである。
プロフは基本的に夜は注文できないので注意。
2階にはイスラーム風の座敷席があり、足を伸ばしてゆっくり食事できる。
実食
この店の特徴は、小皿に盛られた何種類もの前菜を着席時に持ってきてくれること。一皿、約300円。
この店には二夜連続で来たのだが、初日は刻んだ香草がサワークリームで和えてあるサラダ、白菜のシーザーサラダ風、きゅうりとトマトのサラダを注文。
白菜のシーザーサラダは食べ慣れないけど全然イケる。
サワークリーム和えはナンになすりつけて食べると、会社同期Oをぶん殴りそうになるほど旨い。
2日目もサワークリーム和えを中心に3皿オーダー。
が、今回はサワークリーム和えの香草がなんとパクチーだったのだ!(筆者はパクチーNG)
このサラダに限らず、ウズベキスタン料理には結構パクチーが使われる。
なので、パクチー嫌いの人は店員にその日の香草の種類を確認してからオーダーした方が良いだろう。
もっとも、このローカルなチャイハネのスタッフに英語が通じるとは思えないが・・・
ロシア風ミニ水餃子のペリメニには、これまたサワークリームが添えられている。
少々の羊臭さをサワークリームが中和していて、同期Tの肩に噛みつきたくなるほど旨い。
そしてこれが真打ち、ビズ・ビズ。
どの料理もお安いこの店において、2000円という場違いな料金設定。
大量の牛肉がガテン系食堂のノリで煮込まれていて、下にはポテトが敷いてある。総重量なんと1キロ!
これは旨い。味濃いめ、ボリューム多めの男飯。ビールが無限に進む。羊肉の匂いが気になる人にも良い。
2日目は、全員が一皿ずつラグマンを頼んだ。
トマトスープにソフト麺的な麺がよく馴染む。
ウズベキスタン滞在中は行く先々でラグマンを食べたが、同期TとOはここで食べたラグマンが一番気に入ったらしい。
油びちゃびちゃポテトが多い中、ここのポテトはちゃんとサクサクしていた。
定番のシャシリクは、ルーラ(つくね)、尻肉をロールしたもの、そして◯玉の3本をオーダー。
おお何ということだ。冒頭でキョフテを犬の睾丸に例えたら、本当に金◯が出てきてしまった。
ルーラと尻肉は安定して旨い。冷めると重たくなるので、熱々のうちに一気に頬張るのがベスト。
そして金たまだが、僕は絶対に食で冒険しない。だから金たまは食べていない。
OとTは普通に旨いと言っていた。
会計は、初日は前菜3皿+ビズ・ビズ+ペリメニ+ビールやソフドリで一人1000円ほど。
2日目は前菜3皿+ポテト+ラグマン3椀+シャシリク+ソフドリで一人800円ほどだった。
物価の安いウズベキスタンだからこそ、めちゃくちゃに頼んでもこの料金で済んでしまうのである。大好きだょ。
一つ注意喚起として、2日間とも会計ミスがあった。
もちろん店員に悪意はなく、単にオペレーションが雑なことが原因と思われる。
繰り返しになるがウズベキスタンの物価は激安なので、たとえこの会計ミスに気付かなくても、3人で割ってしまえば100円にもならないだろう。
だが、物価が安い国で意志を持って豪遊するのと、どうせ大した金額じゃないからと言ってろくに伝票もチェックせずに支払いするのは、全く別の話だと思うのだ。
だからケチな僕は、物価が安い国でも必ず伝票をしっかり見る。友だちがいようと、パートナーがいようと。
まとめ
泊まったゲストハウスのオーナーおすすめのローカル度が強いチャイハネ。
金たまの味は知らずじまいだが、何を食べても旨い。
一人旅なら、ラグマンとシャシリク一本とかでちょうど良いボリュームだろう。シャシリクとビールで居酒屋感覚で使っても、鳥貴族より安い。
サマルカンドのゲストハウスの多くはレギスタン広場にあるので、ぜひ夕食に訪れてみて欲しい。