【旅行記】2025年夏休み/Day2 サイクリングで名寄の自然を味わう日

旅は続いている。

塩狩の朝は、実に正統派の朝食から始まった。

北海道の塩鮭に卵焼き。無限に米が進む組み合わせで、朝からおかわりしてしまう。


食後のコーヒーを飲みながら、なまら蝦夷(その昔、旅宿の宿主たちが中心となり作成したガイドブック)の、伝説の第1巻を読む。

第1巻はあまりのプレミアゆえ、盗難防止のためどの宿主も表に出さないと聞いたことがあるが、まさか普通に本棚に置いてあるとは・・・


この旅で泊まるトシカの宿や、来月泊まるニセコ旅物語などが寄稿しており、数十年経った今でも営業している宿が多いことに感動した。


塩狩ヒュッテは、交流という意味では控えめだったものの、食事も美味しく、清潔な部屋でのんびり寛げた。


旅宿に慣れていなくても普通のペンションとして十分に泊まれるレベルなので、いつかジーパンの似合うアクティブな嫁と共に再訪したい。


さて、今日は名寄の宿を予約しているが、バスの時間まで30分ほどあるため、荷物を置かせてもらって少し近所を散策する。


普通に過ごしている分には高度感を感じないものの、塩狩ヒュッテは塩狩峠という峠のてっぺんにある。

1909年、塩狩峠の頂点だからまさに塩狩ヒュッテのあたりで汽車が事故を起こし、長野政雄という駅員が命を落とした。私は今回の旅行までこの事故のことを知らなかったのだが、Day1の旅行記で言及した三浦綾子がこの事故をテーマに小説を書いているらしく、今度読んでみようと思う。


9時55分、道北バスに乗り込み、塩狩を後にした。


道北の自然を眺めながら移動する。


塩狩峠は天塩川と石狩川の境界であり、北海道第2の都市である旭川は、道北の玄関口と見なされることが多い。

塩狩(和寒町)は旭川の少し北の町となり、石狩川から天塩川にバトンタッチするという意味で、これから道北の旅が本格的に始まっていく訳である。


和寒の本町では、少し長めの停車となった。

北海道のバスでは乗客が私だけということも珍しくないのだが、この旭川〜名寄の路線には結構多くの人が乗っていた。


夏休み初日の土曜日ということ、旭川も名寄も規模が大きい町であることが原因だろう。


レンタカーの旅の方がよほど便利とは思うが、公共交通を利用した非効率的な旅もまた、味わい深いと思うのである。


とはいえ、ジーパンの似合う、山ガールな嫁と北海道を旅行する「来る日」に備え、ペーパー・ドライバー講習に通おうと決心した。


名寄には12時前に到着。

2023年9月に来て以来なので、2年ぶりの訪問だ。


名寄に着いて早々、地元の名店の三星食堂で昼飯。
1911年創業とのことなので、まごうこと無き老舗だ。


名物はチキンマヨと聞いていたが、今夜の宿の飯はかなり健康志向と聞いていたので、今回はトンカツ定食を注文。

普通盛りでも米の盛りが良く、最高!とても美味しい。

ローカル食堂は最高だ。


  

さて、今宵の宿「天塩弥生駅」までは、本数こそ少ないものの路線バス(深名線)で行くことができ、宿でも送迎を行っている。


ただ、せっかく北海道に来たのに時間までダラダラしているのも勿体なく、観光案内所で300円/日の格安プライスでママチャリのレンタルができることも後押しし、今回はレンタサイクルで名寄を散策しながら宿に向かうことにした。

バスターミナルのコインロッカーにバックパックを預け、1日分の着替えだけ持って出発!


見切り発車的に観光案内所を出てしまったので、2年前に散策した記憶を頼りにサイクリング。

名寄川に沿ってサイクリング・ロードが整備されているのを思い出し、脳を回復させるため、心を無にして大自然を堪能した。


サイクリングをしているエリアはヒグマが出没することで知られているが、川で子どもと水遊びしているお母さんがいたので思わず話しかけると、どうも1ヶ月前に東京から引っ越してきたらしい。


今回散策して、名寄が移住者を歓迎しているのは感じたけど、そういった面の周知もした方が良いと思うが・・・


まぁ、そこは外野の私が口を出すことではない。

今はただ、日常から解放され、北海道の大自然を肌で感じられる時間が心地良い。


ひとしきりサイクリングを楽しんで町に戻り、観光案内所のカフェで少し休憩。

今年の北海道は異常に暑いと聞いていたが、名寄はもともと寒暖差のある町とのこと。


休憩後は日本最北のイオンを少し冷やかし


家を出る直前にジャージの股が裂けているのに気付いたため、これまた日本最北のユニクロに登山用のジャージを買いに来た。

ユニクロではヒートテックやセーターがもう売られていて、ここが北海道であることを感じる。

私は綾瀬はるかを愛しているが、ユニクロ広告の綾瀬はるかは特に脳を破壊してくる。セーターなど女性らしい服だけでなく、時折着るジャケットなどが堪らないのだ・・・


イオンとユニクロがあるエリアには、他にもファミレスや紳士服のチェーン店が並んでいる。


稚内にはユニクロもイオンも無く、ガチな買い物をする時は旭川、むしろ開き直って札幌まで遠征すると聞いたことがあるが、それでも市内でどうにかなるという意味で、やはり名寄は道北のエース的存在だと思うのである。


セイコーマートで酒とツマミを買い、天塩弥生駅に向かう。市街地からは自転車で30分ほどの距離。


雄大な田畑を眺めながらのサイクリングは最高に楽しい。

メインの移動手段を車にしても、北海道の自然を肌で感じるという意味ではサイクリングに勝るアクティビティはないと思う。


宿では携帯の電波がほぼ無いとホームページに書いていたが、たしかに30分も走ると、北の一大都市としての名寄から、道北の片田舎としての景色に変化した。


さぁ、前から泊まりたかった天塩弥生駅に到着。
筆者が愛する旅宿ネットワーク、とほ宿の加盟宿だ。


この天塩弥生駅、廃線になった深名線の天塩弥生駅の跡地に、当時の駅舎を完全再現して建てられたという、とほ宿の中でもひときわユニークな宿である。


館内は「天塩弥生駅」の世界観が徹底されており、鉄道にそれほど興味が無い私でも楽しむことができた。


チェックインして荷物を置いてから、近所を少し散歩。これぞ北海道の田舎という趣きでとても楽しい。


天塩弥生駅でシャワーを浴び、サッポロクラシックを喉に流し込む。

北海道に来たことを実感する最高の時間だ。


宿主・富岡さんの奥様が元栄養士ということもあり、天塩弥生駅の飯はかなりヘルシーと聞いていた。

しかし、フタを開けてみると煮魚に生姜焼き、たくさんの小鉢と、これまで泊まったとほ宿の飯に勝るとも劣らぬ、充実したボリュームの夕飯だった。

特に生姜焼きが素晴らしく旨かった。


食事中は、そして食後も、泊まり合わせたゲストや、富岡さんご夫婦と談笑。これぞ旅宿の醍醐味。


常連の男性からは、他の旅宿の話を色々教えてもらい、今後の旅行の参考になった。


そして筆者はさいたま市の出身なのだが、同じく常連の女性は埼玉県の教員で、なんと私の母校(小学校)で教えていたこともあるという。なんという偶然なんだろうか。

こういう出会いがあるから、旅は止められない。