福井県大野市。
東尋坊、恐竜博物館、永平寺の福井観光ビッグ3に比べると少しマイナーだが、水路が張り巡らされた町並みや昔ながらの田園風景を楽しめる町である。
今回は、宿泊したゲストハウス・ナマケモノの近くに広がる水田地帯をチャリで散策した時のことを書きたい。
場所としては越前大野の駅からは徒歩40分ほど離れたエリア、ショッピングモールのヴィオの周辺となる。
福井旅行の初日、越前大野駅周辺のエリアを散策して宿に戻る途中、遠くに見えた水田に惹かれて寄り道することにした。
初夏の夕方、ぼくの夏休み。
いつか書こうと思うが、この時の僕は人生で最大規模の二者択一を迫られていて、ノスタルジックな風景を眺めることで一時そのプレッシャーから解放されたかったのである。
この景色を見た時、まるで初恋の味を思い出したかのように、僕の心臓はハゲシク高鳴った。
こういう図は個人的にツボなのだ。
憂太!!憂太ッア!!!
大大大大大大大大大大大大大大大大大
大好きだよぉぉおぉぉぉぉ!!!!!
この日はハチャメチャに暑く、見かねたナマケモノのオーナーの息子さんがチャリを貸してくれた。
駅から宿までは歩いて30分ほど、バスの本数も少ないので、正直とても助かった。
こういう細い道を見るとついつい進入してしまうし、車輪の唄を口ずさんでしまう。
田園地帯をチャリで駆けるのは最高に気持ち良い。
こちらがショッピングモールのヴィオ。
モールと言ってもイオンのような規模ではないが、マックあり本屋ありで結構便利そうである。
もし転勤で大野市に住むことになったら週二でヴィオに来るんだろうな、みたいな妄想に浸るのも旅の楽しみ。
ヴィオの裏にも田んぼが広がっていて、背後の森がどこか神々しさを感じさせる。
田んぼと森の境界線に建つ家を見て「こわい」と思うのは、きっと僕が日本人だからだろう。
こわいと言ってもホラー的な怖さではない。恐れより畏れと言ったところか。
八百万の神的な要素というか、原始的な自然への畏れを感じるのである。
かなり良い気持ちで散策していたが、スマホの充電が切れそうだったのでこの日は宿に戻ることにした。
翌朝、早起きしてまた散策に繰り出した。
これまで配属された全ての部署で遅刻を経験した僕だが、旅行中だけは早起きできるのである。
山が近いのが、個人的な大野の好き好きポイント。
これぞ日本の原風景。
遠くに田植えをしている人が見える。
森に吸い込まれるように伸びる細道。
先ほどホラー的な怖さはないと書いたが、より正確に言うと幽霊的な怖さではなく、精霊だとか妖怪だとかそういった存在への畏敬の念が湧いてくる。
この深い緑が心を癒やしてくれるが、快適さで言うと10月くらいが涼しくて散策しやすいと思う。
この用水路も堪らんな!
我ながら写真うまいな〜
ヴィオのマックで朝メシを買って宿に帰った。
大野の水田地帯、いかがだっただろうか。
僕が生まれ育ったのは、さいたま市の普通の住宅街。
田んぼなんてない。
それでも日本人としてのDNAがそうさせるのか、こんな水田地帯を見ると自然に身体が向かって行くし、不明の懐かしさに襲われて胸が苦しくなることもある。
レンタサイクル自体は越前大野駅周辺の観光協会などでも借りられるので、時間があったら足をのばしてノスタルジックな気分に浸ってみて欲しい。