神奈川県の鵠沼海岸に佇むミニシアター・シネコヤに久しぶりに行ってきたので、ブログでご紹介します。
○Introduction
藤沢市は政令指定都市に準じる人口を擁する町(都会とは言ってない)ですが、2010年をもって何と市内の全ての映画館が閉館してしまいました。
この現状に危機感を覚えたオーナーの竹中さんが、スモールスタートで育てて来たのがシネコヤとなります。
シネコンの非日常感も良いですが、やはり個人的にはミニシアターや名画座の手触り感というかアットホーム感が好きです。
我々庶民にできるのはせいぜい会員になったり足繁く通ったりと限られてますが、この素晴らしい文化を後世に残すためにもできることはしていきたいですね。
※2011年に辻堂に109シネマズができたため、現在では藤沢「唯一の」映画館ではない。
cinekoya.com
○アクセス
小田急の鵠沼海岸駅から徒歩5分
シネコヤはサーファーと湘南セレブの町・鵠沼海岸にあります。
駅を出たら写真の奥に見える薬局の前を右折し
十字路を緑の看板の方向に歩いて行くと到着します。
ちなみに数台なら劇場のガレージに自転車や多分バイクをとめることも可能です。
筆者は社員寮からチャリで一時間かけて行ってます。
○料金
□基本料金
・大人 1800円
・ユース 1300円
・小人 1000円
シネコヤの料金体系は少々特殊です。
と言うのもタイトルにあるように、シネコヤは厳密には映画館ではなく貸本屋と映画館のハイブリッドなんです。
貸本屋と言っても図書館ではなく、業態としてはブックカフェのようなものだと考えてOK。
上は貸本屋への入場料と映画一本の料金となります。
本だけだともっと安かった記憶がありますが、今はそのプランはなくなったのかな?
今は実質的には映画を観ること前提の料金体系でしょう。
映画を数本見る場合は都度、同金額を支払いだったはず。
もしこのPVが少ない場末のブログを見てくださった方の中でシネコヤにお詳しい方がいましたら教えてください。
□会員制度
シネコヤにもミニシアターでよくあるように会員制度が用意されています。
スタンダードなコースだと年会費が1500円で、毎回の料金が1300円になります。また、同伴者も一名までは1300円で入場可能です。
またワンランク上のプランは年会費が5500円。
スタンダードなプランに加えて月刊の小冊子と、カフェの飲み物の100円引きの恩恵を受けられます。
他にもクラウドファンディングとして寄付金込の同プランもあるので、懐に余裕のある方はホームページを見てみてください。
筆者は映画好きの女性とデートする日のためにスタンダードなプランに入っていますが、悲しいかな同伴者割引の恩恵を受けたことはありません。
○利用方法
シネコヤは20人も入れば満席になる小さな劇場なので、予約を強くオススメします。予約は電話のみ。
当日の入場も可能ではありますが、筆者がこれまで訪れた中で満席じゃなかったことはありません。
席は全席自由席なので、当日の受け付け順で席を選ぶことになります。
ベストプレイスを追求したい方は早めに入館するといいでしょう。
○カフェとパン屋
シネコヤは入口がパン屋とカフェカウンターになっています。
パンは神奈川の秘境・山北のベーカリー&パブ、Destureさんのパンです。
惣菜パンから甘いパンまで種類豊富で、何を食べても美味しいですよ。
過度に味が濃いと言うよりかは小麦の味や風味を楽しむ感じ。
カフェもコーヒーが美味しく他のソフドリやビールも揃っています。
注意点としては、シネコヤ館内には水を含む全ての飲食物が持ち込みNGだということ。
個人的には水くらいは・・・とは思わなくもないですが、まぁ郷に入りては、です。
一応、オシャンティなボトル・オブ・ウォーターが220円で買えます。
まぁ普通にコーヒー買いましょう(笑)
筆者はここのカフェオレが大好きなのですが、この日はファミレスで勉強してからの映画だったので、ドリンクバーで腹がたぷたぷだったのですよ・・・
○館内
館内はウッディー調で、清潔感と温かみを両立しています。
壁には映画に関する手作りのミニ冊子やポスターが貼られており、映画愛に溢れているのが分かります。
そしてこれが自慢の読書スペースです!
映画評論やミニシアター、健康や暮らしに関する本から小説など約3000冊もの本が置かれています。
また視聴はできないものの往年のレコードやビデオもインテリアとして置かれているので雰囲気抜群です。
椅子やソファもいくつか置かれており、映画の前後にゆっくり読書ができます。
小物もアンティーク調でいちいちお洒落です。
心からシネコヤに住みたい。
どうも最近リフォームしたようで、メインの部屋とは別に入口付近にも椅子と本棚が設置されていました。
シアターへと通じる階段の脇にも椅子と机があります。
ほんとうに個人的な話で恐縮なのですが、ゲストハウスや温泉旅館でメインのコモンスペースではなく踊り場とか通路の端にさり気なくあるサブ的な休憩処を見ると激しく興奮するのですが、たぶん共感は得られませんね。
○その他設備
トイレは一階が男女共用で二階は女性専用です。
男性が使える便器は一箇所だけなので、来館前にトイレは済ませておいた方がいいかもしれませんね。
○シアター
そしてこれが映画館スペース!
なんとここにも両端に本棚があります!
実質的には上映前の数分間しか読む時間がなくかつ薄暗いのでインテリアとしてなのでしょうが、この雰囲気はハラショーです!
ちなみに恐らく消防法などの関係だと思うのですが、シアターと階段の間はカーテンでのみ仕切られており、かつ常時開放されています。
多くの映画館で「ベストプレイス」となる最後列の真ん中だと、少し明るさが気になるかもしれません。
スクリーン自体は小さく、どの席で見ても見やすさに大差はないので、階段とは反対側・右側の方が映画に没入できると思いますよ!
○ラインナップ
ミニシアターらしいラインナップ。シネコンでやるような超大作というよりかは、ミニシアターらしいラインナップです(小泉構文)
傾向としてはストーリーものなら邦画と洋画が多めかな?
蔵書のラインナップにも表れているのですが、恐らくシネコヤには映画愛と同じくらい、「健康」や「丁寧な暮らし」「文化の多様性」が根底のテーマとしてある気がします。
上映作品も、外国の文化を扱ったドキュメンタリーや食育をテーマとした作品が比較的多く、そう言った意味では他のミニシアターとも十分差別化できていますね。
なお作品のローテのインターバルは、感覚的ですがアップリンクなど大手の?ミニシアターの倍くらいかな、と言ったところ。
○客層
鵠沼海岸という土地柄、年齢層高めのエレガンスなカップルや、余裕のありそうなオジ様・マダムが多い印象。
また湘南エリアで貴重なミニシアターということもあり、筆者のようなコアな映画ファンの覇気を纏った人も多いです。
一人で映画観てる女性ってなんであんなに魅力的なんですかね。
○周辺環境
鵠沼海岸だけあり、オシャンティな店やサーフィンのショップが多く、セレブ感で溢れています。
一方で昔ながらの肉屋や八百屋、エスニック料理の店も豊富にありこのギャップが堪りません。
商店街からはずれると閑静な住宅街になるのですが、高級住宅地にありがちな無機質さはありません。
どちらかと言うと、地元に根ざし、自然と共に丁寧な暮らしを送っている方が多いんではないかと推察します。
○まとめ
映画館として訪れると少々戸惑うこともあると思いますが、シネコヤの本質は単なる映画館ではありません。
本に囲まれた空間や鵠沼海岸の雰囲気などが入り混じり、まさに世界でもシネコヤでしか味わえないような没入感がそこにはあります。
穏やかな鵠沼の雰囲気の中、本に囲まれたアットホームな空間で美味しいパンとコーヒー片手に映画を楽しむ。
なんて贅沢な時間でしょう。
また、今はコロナで人とは話しにくいけれど、いつかそこで未来のパートナーや親友と出会えるかもしれない。
そう信じたくなるような温かさもミニシアターの醍醐味かもしれませんね。
神奈川の映画好きに、江ノ島でデートするカップルに、強くオススメします。