【旅行記】2025年夏休み/Day5 うみねこゲストハウスに帰った日

旅は続いている。

最後に朝焼けのクッチャロ湖を眺めに行こうかと思ったが身体が動かず、朝メシの時間ギリギリまでベッドでうだうだしていた。


朝メシを喰いながら会話したライダーは私と同じ横浜からの旅人で、長野のとほ宿をおすすめされた。

7月に福井のとほ宿・ねこばやしに泊まり、また10月には香川のとほ宿に泊まる予定だが、本州の宿も開拓していきたいものである。


とほ宿でも最古参なのでトシカの宿には前から泊まりたかったんだけど、立地の関係でなかなか旅程に組み込めず、今回ようやく泊まることができた。


稚内から紋別の間に他に手ごろな宿が無いこともあり、ライダーだけでなくチャリダーの宿泊も多い。

浜頓別に来るくらいだから、泊まり合わせた人は皆さんキャラが濃く、楽しい時間を過ごせた。


荷造りを済ませ、宿主の吉沼さんにバスターミナルまで送ってもらう。

クッチャロ湖の横を通ってもらったが、クッチャロ湖で一番賑わっているのは私がビールを飲んだ場所からもう少し奥に行ったキャンプ場。

ただし人がものすごく多く、風情も何もあったものではないので、私は自分だけのチル・スポットを開拓できて良かった。


吉沼さんは、とほ宿主で最高齢の76歳。

ブログを読む限り少なくとも来年は宿をやる気のようだが、いくらお元気でも正直あと何年も1人で切り盛りするのは難しいだろう(筆者が泊まった時は短期のヘルパーの方が1人いたが)


だから泊まれるうちにトシカの宿にはまた泊まりたい。

流石に3年連続で夏休みを道北に捧げるのも勇気が要るので、次はGWあたりにしようと思うけど(笑)


浜頓別から稚内までは、宗谷バスが天北宗谷岬線として8時50分と13時35分の2便を運行している。

浜頓別発のバスは他にもあるが、稚内までは行かず猿払村の鬼志別が終点となる。


稚内から宗谷岬に行く際はこの路線で途中下車することになるが、逆方向からとはいえ遂にこの路線を乗り通す日が来たかと思うと感慨深い。


うーむ、この注意書き。
「宗谷エリア」という感じだ。


昨日はママチャリで行った猿払村を通り、稚内を目指す。鬼志別バスターミナルでの待ち時間も含め、3時間くらいの長旅だ。


バスはエサヌカ線ではなく国道や道道を走るので、昨日は通ってない猿払村の内陸部を見ながらの移動になる。


鬼志別までの乗客は、私の他に2人。

国鉄天北線が廃線になった今、宗谷バスが稚内と浜頓別を結ぶ唯一の交通手段になる訳だが、利益だけで考えるとこの路線も廃線待った無しなんだろうなぁと思った。


天北宗谷岬線については稚内から宗谷岬に行く旅行客が一定数いるので、完全な廃線にはならないのだろうが、宗谷岬〜猿払村〜浜頓別の乗客が本当に少なかったから。


ホタテやイトウで有名な猿払も、内陸部はインセクター羽蛾が好む森林フィールド。

忍び寄るヒグマの脅威。


ローカル線のバス旅は大好きだけれど、あまりにもまったりしていると嫌な想像、想像と言っても事実に対する想像だが・・・に脳を破壊されるので、音楽を聴きながら強制的に目の前の景色に意識を集中させる。


1時間くらいバスに揺られ、鬼志別バスターミナルに到着した。ここで30分くらいの待ち時間がある。

こんな田舎の・・・と言ったら失礼だが、まぁこんな田舎のバスターミナルなのに立派な建屋で驚いた。


バスターミナルの中には天北線に関するちょっとした資料館があり、無料で見学できる。

利益を度外視した一旅行者としては、オホーツクを眺めながらの天北線の旅は非常に魅力的である。天北線がある時代に学生生活を送りたかったなぁ


今は中高年が旅人宿(とほ宿やユース)のメインの客層だが、当時は男女問わず若者こそがマジョリティだったとのこと。私のような変態旅行者も、昭和の時代なら結婚できたのかもしれない・・・


待ち時間を利用して、鬼志別の町を少し散策する。

元より店の数も少ないのがほぼシャッター街と化しており、正直なところ活気には乏しい。


しかし、Qマートというローカルスーパーは品揃えも豊富で賑わっていた。

弁当やおにぎりも旨そうだったが、稚内で行きたい店があるので我慢我慢。


10時20分に鬼志別を出発。

昨日行った猿払村の道駅などを通り、一路稚内へ向かう。


宗谷岬〜浜頓別の区間はこの旅まで道のエリアだったが、1年前に電動自転車で稚内駅から宗谷岬まで走ったので、宗谷エリアの地形は頭に入っている。


雄大な宗谷丘陵を眺めていると、今年も稚内に帰って来たのだと温かい気持ちになった。


鬼志別から宗谷岬まではガラガラ、ただし宗谷岬からは稚内に戻る観光客が大量に乗り込んで来るので、身動きもとれないくらい混む。

座りたいなら、岬観光を少し早く切り上げてバス停に並ぶ勇気も必要になる。


ちなみに、私はこれまで宗谷岬に2回行ったことがあるが、どちらも曇りでサハリンは見えなかった。
(写真は昨年8月)


そしてこの記事をここまで読んでいただいたら分かる通り、この日は晴天で最高の宗谷岬日和だった。


何もこんな移動日に晴れなくても・・・

宗谷岬で降りて次のバスで稚内に行くことも考えたが、そうすると利尻島行きフェリーが出る20分前に稚内駅に着くので、間に合うか非常に微妙。今回は泣く泣く諦めた。


稚内駅には、12時ちょうどに到着した。
今回もJRでの稚内入りならず。

しかしまぁ、稚内も4回目ともなると「最北の町」に来た感慨は湧いてこないなぁ


フェリーまで5時間くらいあるので、まずは昼飯だ。
店は前から気になっていたデノーズというダイナー。

オーナー夫婦が2人でやっている上に名物料理は手間がかかる料理なので、提供はかなり遅め。

あと忙しすぎてママの接客も投げやりだが、これも大事な旅先の時間である。


50分待って降臨したのが、名物のスラッピー・ジョー

巨大なハンバーガーにチーズとミートソースをかけて焼いたもので、見るからにボリューミーで高カロリーだ。


明日は利尻富士に登るから!昨日も70kmチャリ漕いだから!と言い訳しながら、ミルクシェイクと一緒に胃に流し込んだ。味は言わずもがな最高である。


ちなみにスラッピー・ジョーは私がラスイチだったようで、今回食べられて良かった。


今さら稚内で張り切って観光する気は起きず、ヤムワッカナイ港のゆでフェリーの時間までダラダラ過ごした。

この温泉も3回目だ。


北海道は基本的にどの町にも温泉があるので、風呂好きとしては嬉しい限り。しかも神奈川より安い。


利尻の鴛泊にはセイコーマートが1軒あるが、離島とお盆の合わせ技で弁当やおにぎりは速攻で無くなる。


去年の旅でそれを学んでいたので、フェリーターミナルまでの道中で今夜の夕飯、それから明日の朝メシと登山用の携行食を買っておくことにした。


稚内駅の前には相沢という文字通りの食のデパートがあるので、そちらで買ってもいいかもしれない。


結果、出航の20分前くらいに慌ててチケットを買うハメになった。2等の雑魚寝シートだから満席とかはないけど、流石に余裕ぶっこき過ぎたな。


去年、利尻のうみねこゲストハウスで過ごした時間があまりにも楽しく、うみねこなら脳を破壊するモノを一時でも忘れられるのではと思ったのが、今回の旅のきっかけである。

うみねこファミリーともうすぐ再会できる。
私の心は激しく高鳴っていた。


ところで、重い荷物があるからぁ!島はchillでpeaceだからぁ!と最後尾まで行かず、ロープを潜って列の前に行こうとする奴はウニを踏んでしまえば良いですよね。

並ばなくていいの?と聞いていたお子さん、あなたより立派です。


2年連続の航路なのでそこは大した感動は無く、航海中はビールを飲んでスマホを弄ってのんびり過ごした。


2時間弱の航海の後、夕焼けに照らされた懐かしの鴛泊港とペシ岬が見えてくると、去年の輝かしい4日間が蘇る。


去年の夏は言わば、All my best memoriesな1年間からmake me cryな1年間への過渡期であり、そこから季節がまた巡ったことで、根拠は全く無いが次なる1年間が再生の1年間になることを予感させる瞬間であった。


かくして、1年ぶりに利尻島入りした。

去年のスタッフ「ちゃんみき」が今年もヘルパーをしていることは知っていたので、ちゃんみきやオーナーの西島夫妻との再会を喜んだのだが、チェックイン時にコモンスペースを見ると、視界に入ったゲストが全員去年も会った人で一瞬タイムスリップしてしまったのかと思った。


もちろん実際はそんなことはなく、私と同じように、いやむしろ私が新入りなくらいだが、今年の夏もうみねこで過ごそうとやって来た人々である。

この圧倒的なホーム感、最高だなぁ


チェックインを済ませ、はやる気持ちを抑えてまずはセコマに酒の買い出しに行く。

予想は当たりホットシェフのおにぎりや弁当はもちろん、工場生産のおにぎりや100円パスタもほぼ売り切れていたので、夕方に島入りする者は必ず稚内で買い出しを済ませておくように。


この日は同じく2年連続の旅人と談笑しながら夕飯を喰い、ちゃんみき、常連さん達と酒を飲んだ。

なんだか毎日飲んでいる気がするが、それで正気を保てるのであれば安いものである。


さて、こうして旅の折り返し地点に来た訳だが、Day6はいよいよ利尻富士にアタックする。

このために今年は登山の鍛錬を重ねてきたのだ。


1700m級の山に比べたら、会社での有象無象の苦しみは何と小さいものか。

そう吹っ切れることを祈りながら飲む大人ミルピスは実に優しく身体に染み渡り、うみねこゲストハウスの夜はどこまでも賑やかに更けていくのであった・・・