月日は流れても毎日脳を破壊される状況は変わらず、気付けば最後にブログを書いてから1ヶ月も経ってしまいました。
その間も1人で福井に行ったり、会社同期と登山をしたり、剣道をしたりと、こうして文字に起こしてみると女っ気の無いことを除けば割と充実した余暇をエンジョイしていたのかもしれません。
今回は来る夏休みの利尻富士登頂に向け、バカ尾根で登山の練習をした時の様子を復帰戦として記事にしたいと思います。
それではご覧ください。
バカ尾根とは

塔ノ岳や丹沢山にはいくつかの登山ルートがあります。
鍋焼きうどんで有名な山小屋を通る鍋割山との縦走コースや、見晴らしの良い表尾根コースなどが「登山を楽しむ」コースとしては有名でしょう。
一方、道が整備されていて初心者向けとされながら、その過酷さで悪名を轟かせているのが今回登った大倉尾根コース。通称「バカ尾根」です。
このバカ尾根ですが、3時間半程度で標高1200メートルを一気に稼ぐコースとなっており、言わずもがな登山初心者が簡単に足を出して良いものではありません。
表尾根コースはコースタイムこそ長く、また登山のスキルを求められる箇所もあるものの、鎖場などバラエティに富んだルートが楽しめ、道中の景色も大倉尾根コースのそれより圧倒的に良いと評判。
大倉尾根コースについて書いてあるブログやVlogは何個もありましたが、塔ノ岳山頂を除けば景色に言及しているものは少なく、「北アルプスに向けた練習」「トレーニング」といった文字が目立ちます。
そんなバカ尾根になぜ敢えて挑むのか?
それは利尻富士に登るための体力を錬成したいから。つまりはトレーニングです。
山ガールとデートできる日が来れば、迷わず表尾根コースや鍋割山とのセットで登るんですがねぇ
登山口まで

そもそも都心からのアクセスが良い丹沢ですが、筆者は藤沢市民につき、相当楽に移動できました。
海老名まで行って、小田急で渋沢駅へ。
気付けば神奈川県民7年目ですが、渋沢に来るのは初めてです。登山口行きのバス停は北口にあります。

駅を出ると絶景が!
神奈川は山が近いですね〜

大倉登山口までは2番乗り場から渋02系統で、終点の「大倉」バス停下車です。
週末の朝の時間帯は15分に1本というハイペースで運行されているのは素晴らしい。

北口のロータリーには百円ローソンがあります。
登山客も大量にいるだろうに、オニギリが品切れにならず大量に陳列されているのは心強い。

15分ほどバスに揺られ、大倉バス停に到着しました。
運賃は250円、交通IC使用可。
時刻表は神奈中のホームページかGoogleマップで調べてください。

大倉バス停にはビジターセンターやトイレ、カフェや自動販売機もあります。
荒島岳とは設備の充実具合が違う・・・
さて、丹沢山塊と言えばヤマビルたちの巣窟ですが、ビジターセンターにヒル対策の塩が置いてあるのは素晴らしいですね。
私はつい買うのを失念してしまったので、有り難くお持ち帰りさせていただきました。
※登山口に到着した8時半の時点でビジターセンターは営業前でしたが、建物には入れました。
登山口〜塔ノ岳

8時半、些か(いささか)遅い時間ではありますが、覚悟を決めて登山開始です。
今回のルートを改めて説明すると、バカ尾根を登って塔ノ岳頂上を目指し、時間に余裕があればさらに丹沢山を目指します。登山口から塔ノ岳山頂までのコースタイムは3時間30分みたいです。
帰りはまたバカ尾根を下るか、表尾根コースで帰るか、時間と体力に応じて決める算段。

まずは登山口まで、神奈川の田舎景色を楽しみながらウォーキング。道中にも自動販売機がありました。
標識は定期的にあるので、普通に歩いてれば迷うことはないでしょう。この辺はさすが、初心者向けのコース(笑)です。


5分も歩けば登山道に入ります。
最序盤は舗装された道を進む。

水汲み場がありました。
旨い水を飲むために秦野市に移住しなさいって、なかなか挑戦的なことが書いてありますね笑


本格的な登山道に入って早々に、お!となるような展望スポットがありました。
これ以降、頂上付近まで景色を楽しめるポイントはほぼ無いのであった・・・


変わり映えのしない森林を歩くこと20分、最初のチェックポイントである観音茶屋に到着しました。
営業時間は不規則とのことですが、9時前でも営業しているようでした。平日はまた違うのかもしれませんが。
まだ序盤も序盤なので、2分くらい休憩してすぐに出発。

観音茶屋を出発して少し歩くと、大観音方面との分岐になります。私はスルーしてそのまま塔ノ岳方面へ。

この辺から少しずつ傾斜がキツくなっていきます。
まぁ、まだバカ尾根とも言えないゾーンなんですけどね。
ここまでの感想としては、登りがキツい云々よりも暑さが大変でしたね。
神奈川の中では最高峰クラスでも、山梨などの山に比べたら標高は低いです。
風通しも悪く、序盤の森林はサウナみたいで辛かった。

9時11分、雑事場ノ平に到着しました。
ここまでのコースタイムが50分らしいので、ちょい巻けている感じですかね。
ベンチがいくつかある休憩スポットですが、足が長めなのはヤマビル対策でしょうか。

雑事場ノ平からは束の間、平坦な道を歩きます。
風通りも良くて実に快適です。
もうずっと平坦な道でいいよ。


5分ほどで見晴茶屋を通過。
この景色は名前負けしていませんね。きれい。
9時半前だと、まだ売店の営業は始まっていないようでした。

なお、見晴茶屋に限らず塔ノ岳、丹沢山のトイレは有料100円のバイオトイレでした。


さて見晴茶屋を出発すると、いよいよバカ尾根が牙を剥き始めます。
木々に囲まれた一切面白みの無い尾根をひたすら登って行きます。あまりに虚無で雑念すら湧いてきません。

一方、一応は初心者向けのコース(笑)なので、多くの箇所で木道や階段が整備されており、歩きやすさという意味では流石でしたね。
もちろんザレ場や木の根が邪魔な箇所もありますが、荒島岳に比べると歩きやす過ぎた。

合間合間にあるトラバース道が愛おしい。私の登山における一番の楽しみと言って差し支えありません。
バカ尾根のもう1つ良いところとして、愚直な急登が続くだけあり、インターバルで平坦な道はあるけどほぼ下りは無いんですよね。
往路は少し辛いけど、気力も体力も尽きてきた帰りに登り返しが無いのが良いです。

駒止茶屋を通過。営業前。


その後も虚無の登りを続け、堀山の家に到着しました。
時刻は10時21分。登山開始から2時間くらいですね。

堀山の家で何か買わなくても、ベンチとテーブルは自由に使えます。
ここで初めて長めの休憩。
百円ローソンのオニギリが旨すぎた。


10分くらい休憩して堀山の家を出発しましたが、ここからがバカ尾根の本領発揮。無限急登編が展開されます。
トラバース道もほとんど無かったような。
ネタバレすると、12時ジャストに塔ノ岳登頂になりました。つまりはそういうことです。

ただこの区間を歩いた率直な感想は、「意外と何とかなった」です。
と言うのも私は登りが苦手なので、最初からコースタイムを巻いてやろうなんて考えておらず、少し歩いて10秒休憩くらいのペースでゆるゆる登ったのです。
もちろん足はバキバキになりましたけど、荒島岳みたいに全身を使って登る岩場とかも無いので、キツいはキツいけど何とかなるキツさでした。
そして上で書いたようにあまりに道が単調なので、精神を破壊されて逆に無心で登れてしまいます。
これがバカ尾根たるゆえん。
そもそも私は日頃から脳を破壊されているので・・・
利尻富士に向けて体力が養われるであったり、将来山ガールと結婚した際の練習になったりであったり、こちらは得るものがあるのでお得までありましたね。

そして高度を上げていくと流石に見晴らしも良く、海まで見えるので、ようやく登山が楽しくなってきます。
まあ、こっちの方角はこれ以降ガスってしまったんですが・・・

↑一瞬でガスった図

急登に苦しめられること1時間、11時23分に花立山荘に到着しました。生産性のある脳破壊というだけで、疲れていることに変わりはありません。
花立山荘はフードメニューも多かったですが、私はオニギリだけ食べて5分くらいの休憩で出発しました。

もう歩きたくないよ〜

花立山荘を出てすぐのところにザレ場がありました。
まぁ荒島岳のそれと比べるとイージーです。


この区間は体力的にしんどいと言うより、頂上に近付いてるのになかなか残りの距離が削れなくて精神的にしんどかったですね。

1箇所だけ、ジュラシックパーク3のプテラノドンの鳥籠のような道がありましたが、手すりもあるし怖くありません。

あと少し、あと少し・・・

そして最後の階段を登り・・・

12時ちょうどに塔ノ岳登頂です!
バカ尾根攻略!!
久しぶりにブログ書いたら長くなったので後半に続く