【最強】ブダペスト最強の食堂 Belvárosi Disznótorosをアツく語る

ブログ読者の皆様

いつも大変お世話になっております。
「世界の町で朝メシを喰う」です。


掲題の件、筆者がブダペストで最強と崇めるビュッフェ式食堂のBelvárosi Disznótorosをご紹介します。

Information

住所
Budapest, Király u. 1d, 1075

営業時間
月、火、水 11時〜20時
木 11時〜21時
金 11時〜22時
土 12時〜22時
日 12時〜20時

カード
VISA使用可(他は未確認)

アクセス

地下鉄「Deak Ferenc ter駅」から徒歩5分。
空港行き100Eバスが出発する側や、エルジェーベト公園とは逆側、キラーイ通り側の出口から出ること。

メモ
こちらのデータはKiraly utca店のもの。
すぐ近所に Karolyi utca店もある。

小話・Belvárosi Disznótorosとの思い出

私は旅をライフワークとしている。

幸いにも母校の東京外国語大学は旅好き、変人が集まる大学なので私の奇行は目立つことは無かったが、私の過酷な旅行スタイルは世間ウケするものではなく、会社では特級呪物扱いされているのが現状。


そんな私もいつからか、旅に出ても以前の様に興奮しなくなってしまったのだ。

それは単なる慣れかもしれないし、会社で脳を破壊されたからかもしれないし、婚期を逃したことによる焦りなのかもしれない。

会社同期達との旅行を経て、人の温もりを知ったこともあるだろう。ニッチな国を彷徨うのではなく、愛する女性と週末に登山をしてラーメンを食べて帰宅する、そんな時間を過ごしたいという思いが芽生えてしまったこともあるだろう。


ともかく、ストレスフルな業務から、会社から逃亡して大好きな旧共産圏ワールドに降り立ったにも関わらず、かつてのような興奮は無く、そのことに自分でも戸惑いながらこの旅行をスタートさせたのだった。


その刹那、この豚のコックの看板が目に飛び込んで来て、私の心は一気に2020年1月のブダペストにワープした。


Belvárosi Disznótoros・・・

社会人1年目の冬休み、4泊5日でブダペストを滞在した際に、あまりの安さと旨さに3回も通ってしまった食堂。

地球の歩き方を見てビビッと来た食堂が、たまたま選んだ宿のすぐ近所という奇跡も相まり、私の記憶に深く刻み込まれることになった。


その旅行のすぐあとにコロナ禍になり1年半も海外旅行に行けなくなったけど、25歳の冬に旅をしたブダベストの情景は相当に強烈で、旧共産特有のエキセントリックな建物と並んで「最後の海外旅行」への未練を増幅させたのがこのBelvárosi Disznótorosである。



※2020年1月に撮影したBelvárosi Disznótoros

Belvárosi Disznótorosの看板を目にした時、私は大いに混乱した。

何故なら、Belvárosi Disznótorosへの再訪が今回の旅行の1つのテーマであったが、私は当時を振り返ったブログにベルヴァーロシ・ディスノートロシュとカタカナ表記をしており、また地球の歩き方を実家に置いてきたので、この店をグーグルで調べることができなかったのである。


当時泊まった宿の近所にあったのは覚えているし、今回の旅行で泊まる宿と当時の宿がこれまた近所なのは分かっていたので、最悪ローラーしてBelvárosi Disznótorosを探し出そうと思っていた。

それがたまたま予約した宿への通り道にあるという奇跡。


なお2020年に訪れた店舗は恐らくKarolyi utca店、今回はKiraly utca店なので、店舗こそ違うものの2回のブダベスト滞在においてどちらも無意識のうちにBelvárosi Disznótorosの近所の宿を予約したことになる。


破壊され尽くされた脳はそう簡単に回復しないものの、とはいえBelvárosi Disznótorosとの再会を通じて在りし日の旅への情熱を取り戻した私は、この日の夕飯でBelvárosi Disznótorosに駆け込んだのはもちろん、セルビア、ルーマニアとまわってブダベストに戻って来たあとの夕飯をどちらもBelvárosi Disznótorosで済ませたのであった。

つまり、今回の旅行でブダペストに3泊したうち、3泊とも夕飯はBelvárosi Disznótorosで食べたのだ。



・・・私は今この記事を大阪王将で餃子とハイボールをしばきながら書いていますが、とにかくBelvárosi Disznótorosはブダペスト最強の食堂なのです。

ブダペスト最強と言うか、もはやここ以外を知らないレベル。


「ぅちの初めてはたっくんなの。ぅちらは絶対結婚するんだょ」とmixiに投稿するギャルJKみたいなことを言ってしまいましたが、とにかくこの店は素晴らしいのです。


ともすれば思い出補正により美味しさ2割増になっているのかもしれず、また5年前に訪れた時に比べると物価高×円安のせいで割安感はないかもしれません。

この記事を読んでBelvárosi Disznótorosを訪れてくれた方の中には、「こんなものか」と肩透かしを喰らう方もいるかもしれないでしょう。


が、ここは私のブログ「世界の町で朝メシを喰う」。
このごく私的な世界で推しの店をプッシュしようと、それが皆様のお眼鏡に敵わなくても、私がこの店の魅力を世間に知らしめたいという強い熱意こそが肝要なのです。

相手の心を解かすのはいつも、打算のない真っ直ぐな思いと言葉だから。

利用方法

前提としてこの店は肉屋を兼ねていて、陳列されている肉を焼いて店内で食べることができます。

精肉店というよりは、マリネ系のステーキをその場で焼いてもらえる食堂といった感じ。


少々良いお値段はするものの、ハンガリー名物のマンガリッツァ豚もステーキで食べることができます。

私も2020年に訪問した際はマンガリッツァを食べました。


肉コーナーの横には出来合いの総菜やサラダが並んだショーケースがあります。

肉コーナーではステーキ類しか注文できず、主食はサイドメニューが欲しいなら惣菜コーナーに並び直しとなるので注意。ただし会計は一緒です。

飲み物も惣菜コーナーの方で注文できます。


なお店内飲食は1Fに立食スタンドが何卓かあり、2Fにはテーブル席とカウンター席がありどちらも座って食事ができます。

見たところ、半分くらいのお客さんは店内飲食せずに持ち帰りしているようでした。

店の近くにはゲストハウスやホテルが多いので、宿でゆっくり食べるのも良いと思います。

実食

  

前述の通りBelvárosi Disznótorosに再訪することが旅のテーマの1つだったので、旅行初日の夕食に早速凸って参りました。


注文したのはハンガリアンシチューのグヤーシュ、カツ、ポテチ状のポテト、ライスです。

惣菜はカテゴリーや量で値段が決まり、グヤーシュも合わせた料金は5600フォリント、約2200円。

内訳はグヤーシュとカツが各2500フォリント、主食が各300フォリントでした。


グヤーシュはパプリカを使ったシチューですが、辛味は無く、デミグラス感の少ないビーフシチューのような料理。

肉も野菜もゴロゴロ入っていて、スープというより立派な肉料理として成立します。ご飯との相性も抜群。


カツは少々肉が硬い気もしましたが、良く言えば食べ応えがありました。

ポテチも塩が効いていて手が止まりません。


さて、(店舗は違いますが)2020年にBelvárosi Disznótorosに行った時は何を食べたのか?を自分のブログで調べている時、筆者は大変驚きました。


それは自分の食の好み、ビュッフェ式の店で選ぶ料理の傾向が5年間で全く変わっていないから、ではなく(これも相当びっくりポイントではあるが)、ほぼ同じ料理なのに
当時は500円くらいで食べられたということ。

つまりこの5年間で日本円換算にして4倍以上に値上がりしたことになります。そりゃ日本人の海外旅行離れも進むわ。


一応、ただ円安という訳ではなくハンガリーでも酷いインフレがあったみたいですが・・・それにしても4倍は痺れますね。


ただ2024年のフランクフルト出張ではビール+肉料理で毎食5000円くらいしたことを考えると、これでもまだヨーロッパの中ではハンガリーの物価は安いです。

同じブダペストでも例えば鎖橋のあたりのレストランではもっとお高くなるでしょうし、変に日本円換算せずに地元の物価基準で考えたら十分に庶民の感覚で楽しめる食堂だと思います。


セルビア、ルーマニアと旅行してブダペストに戻って来た夜、旅行初日とは別のホステルから20分くらい歩いて再びBelvárosi Disznótorosにやって来ました。


この日は連日の暴飲暴食で些か(いささか)胃も疲れていたので、グヤーシュとポテチのみの質素な夕食です。

この2つで3400フォリント。

初日でポテチとライスを合わせたより多い量のポテチを盛ってもらったので、これで結構お腹は膨れました。
(ぶっちゃけライスの方が相性いい)


そしてブダペストの、2025GW旅行の最後のディナーで再びBelvárosi Disznótorosを訪問。

マンガリッツァは品切れだったのでパプリカをまぶした普通の豚ステーキ(200グラム)と、シチュー系の料理にライス、生ビールで4350フォリントでした。


マンガリッツァが無いのは残念でしたか、普通の豚でも十分に美味しかったです。

同じパプリカでも、グヤーシュとは違ってスパイシーな味付けでした。
ビールにもライスにも合います。


名前の分からないシチュー料理はクリーミーな味付けで、マッシュルームの味が濃くて美味しかったです。


ビュッフェ式の食堂の米はパサついてることも多いので、こういう汁気のあるおかずがあると食べやすくなります。


初日こそ5年前からのインフレということで戸惑いましたが、最後の飯についてはゴツい肉と主食にビールまで楽しんで約1700円なので、これは明確に割安感がありますね。


前述の通り、Belvárosi DisznótorosのKiraly utca店があるのはDeak Ferenc ter駅のすぐ近く。

「住宅街にある庶民的な穴場」ではなく、死ぬほど観光客がいるエリアでこのレベルの料理をこの値段で楽しめるので、やはり私はBelvárosi Disznótorosを強く支持します。


「庶民向けの食堂」とは言っても東南アジアやインドのそれとは違うので、店内も実に清潔です。

男女問わずヨーロピアンの観光客もたくさんいました。

適宜ここを挟むと、食の満足度を落とさずに全体の予算を削減できます。

考察

正確な値段は失念しましたが、豚ステーキの200グラムでもグヤーシュやカツレツより安いです。

ハンガリー名物でボリュームもあるグヤーシュはともかく、決して熱々ではない惣菜とステーキを比較すればそりゃステーキに軍配が上がりますので、Belvárosi Disznótorosではステーキを食べることを推奨します。
(ビーフや豚より高かったです)


カツより小さいサイズの惣菜もあったので、値段を確認した上でステーキに惣菜を付けるというのも良いでしょう。

こういう作り置きの惣菜を食べられる店は数あれど、その場で焼いてくれるステーキやグヤーシュを(この値段で)食べられる店となるとそう多くはないので、そういった意味でやはりBelvárosi Disznótorosは最強の食堂だと思います。

コメント

思い出補正があることは否めないものの、それでもゴツい肉料理をこのお値段で食べられるのは貴重。

郊外の住宅街にでも行けばこの手の店はたくさんあるのかもしれませんが、バリバリの観光エリアでこの手の食堂はなかなか貴重です。

鎖橋やDeak Ferenc ter界隈を歩いていて、観光客向けのレストランやファストフードばっかだな!って思った方はBelvárosi Disznótorosを思い出してください。