会社と云う箱物では理不尽を味わい、花粉は気管支を蝕む。
こんな日々を送るうちに飲酒量は前年比で2倍となり、ついぞブログの更新が1カ月も滞ってしまった。
救いを求めるため、私は居酒屋もしり家の暖簾をくぐった。
2022年のGWにたまたま前を通り、軽く一杯と店に入ったのが運の尽きだった。
釧路は北海道の中では大きい街で飲食店も多いけど、この日以降、釧路の夕飯は全てもしり家になってしまったのだ。今回が6回目のもしり家である。
もしり家のお通しは毎度毎度、凶悪なまでにレベルが高く、この日はなんとメンメの唐揚げだった。
メンメは道東エリアでの呼び方で、北海道全土ではキンキの方が一般的な呼び方と言うから覚えておくように。
とにかく、メンメは知床の民宿が課金メニューとして出すような魚であり、これがお通しで出てくるというのだから堪ったものではない。
冷えた生ビールを煽り、メンメの唐揚げを喰らう。
釧路観光は2022年に済ませてしまった。
旅のメインとしては根室なので、合理的にいくなら中標津in/outになる。ただ私はもしり家を愛しているので、全く観光はしないのに無理やり釧路inにしているのだ。
去年もそうだった。
釧路という神奈川から遠く離れた街に私の名前を呼んでくれる人達がいて、その人達に会うためだけに釧路に通い続けたいと思えること。それが堪らなく嬉しい。
ビールをおかわりし、刺身はカレイを頂く。
隣に座った常連さんやオーナー夫妻とお喋りしながら杯を重ねる。
思うところがあり去年の12月くらいから少し健康に気を遣っているのだけど、旅行となれば話は別。
既にメンメの唐揚げ、ポテトと食べているが、釧路名物のザンたれを注文。
揚げ物にタレをパシャっとかけるのはあまり好きではないのだけど、これは例外。相変わらず旨い。
そして毎回絶対に頼む阿寒ポークの串。
ジューシーな脂がとても旨い。
もしり家はメニュー数がめちゃくちゃ多い訳ではない。
メニューの8割は2022年から変わってないと思うが、一品一品の質が高すぎるし、同じメニューを何度食べても飽きないのだ。
写真は消えてしまったけど、さらに阿寒ポーク串とつくねを注文。
常連さんの奥さんとの惚気話を聞きながら、こんちくしょう、こんちくしょうとハイボールで串を流し込む。
最後は注文してから鮭を焼いてくれる鮭茶漬けで〆。
オーナー夫妻と再会を約束し、もしり家を後にする。
1年と1カ月ぶりのもしり家は相変わらず飯も酒も旨く、会話も楽しく、生きる活力を与えてくれた。
自分を取り巻く環境が変わる訳ではない。
月曜日になれば、会社と云う箱物では理不尽を味わい、花粉は気管支を蝕む。
そんな日々がまた始まると、考えるだけで憂鬱だ。
でも、私にはもしり家がある。
釧路で待ってる人達がいる。
絶望的に確率は低いけど、いつか気の強い嫁を連れてもしり家に行って阿寒ポークを食べる。
そんな日のためにまた頑張ろうと思うのだ。