【旅行記】2024年度GW/Day3-1 ミリからクチンへ 昼の時間が長い夜行バスで行く

Day3


日付が変わった頃、どこかの町のバスターミナルで2回目のトイレ休憩に。


少なくともミリ以上の規模の町ではないはずだが、こんなにしっかりした建屋がある分、バスターミナルとしてはプジュット・バスターミナルより格上である。


こんな時間でも人の乗り降りは結構あり、隣におばさんが来てしまって残念。

綾瀬はるか似の美女、もしくはボーイッシュ系の女性なら大歓迎だったのだが。


目を覚ますと、今度はシブという町のバスターミナルにいた。結果的に、ここでは2時間ほどの休憩となった。


シブは地球の歩き方にも載っている。
川辺に少数民族が住む町として有名らしい。


なお、今回の夜行バスの旅では、シブのバスターミナルのトイレが圧倒的に清潔だった。


男目線になるが、大きい方をしたいならシブしか選択肢に挙がらないと思う。

女性は・・・ボルネオ島で夜行バスの旅を敢行するような女傑ならきっと大丈夫だろう。


トイレを済ませ、ウトウトしていると6時半頃にバスは動き出した。


1時間も走らないうちに4度目の休憩。

15分くらいとアナウンスされたものの、この手のバスでそういった約束は基本的に守られない。

まぁ、乗り遅れたら困るので私は早め早めに行動するが。


小腹が空いたので売店で買い物することに。

菓子や飲み物の他に、ちょっとしたスナックもあった。


東南アジアに来たらミロ。

甘さは控えめ。


そして肉包。

肉がぎっしり、確かな食べ応え。


ミロが4リンギット、肉包は3.5リンギットだった。


この頃になると空もすっかり明るくなり、思う存分に車窓を楽しむことができる。


たまーに小さな町や集落を通るが、基本的にはボルネオらしい大自然の中を進んでいく。


この時点でオンタイムでのクチン到着は絶望的だと薄々気付き始めたが、急ぐ旅でもないしのんびり過ごす。

スマホの充電ができる精神的な余裕も大きい。


こんな山間の幹線道路のバス停で降りる人、乗り込んで来る人が結構いるのには少々面食らう。


観察していると家族が車で迎えに来ているようで、道路からは見えないだけで近くに集落はあるのだろう。


先ほど幹線道路と書いたが、ミリ〜クチンの区間には、あるいは東マレーシアには高速道路がない。


つまりで800kmもの距離を、延々と下町で移動していることになる。

グーグルマップを見た限り、実際はもう少し寄り道しながらクチンに向かっているようだ。


10時前、今度は峠の茶屋的な食堂で休憩となった。


トイレはちょっと日本人の衛生感的にはキツいが・・・


肉包一つでは足りないため、ここで二回目の朝メシにする。たぶん華僑がやってる店。


飲み物はいかにもサウス・イースト・アジアの中華喫茶といったラインナップである。


指差し注文もしやすいので、東京高等商業学校附属外国語学校中国語科を卒業した、筆者のようなエリートではなくても食事にありつけるだろう。


乗り遅れたら困るので、買って車内で食べる。

kopi Oは無機質な名前のドリンクだが、ブラックコーヒーに砂糖を加えたもの。


目玉焼きを添えただけの、シンプルかつオイリーな炒麺も実に味わい深かった。

海外で食べるこういう無骨な料理、たまらん。


こういう旅がしたかったのだ、と思う。

私がやっているのは、本来であれば時間が無限にあるバックパッカーの旅を、日系サラリーマンの短い休暇に無理やり落とし込んでいるというもの。


どう考えてもミリからクチンに、もっと言えばバンダル・スリ・ブガワンからクチンを空路で移動した方が時間効率は良いし、こういう移動を短い日程間で無理にやると結果的に高くつくことも往々にしてある。


だがローカル度の高いバスで移動し、ボルネオの大自然を眺め、休憩の時は地元の人間を観察し、道中の小さな町での暮らしを想像し、買い喰いをする、これはなんと贅沢な遊びだろうか。


品質保証という、減点主義で面白みのない仕事をしている私にとって、この非効率な移動こそ何にも勝る豊かな旅の時間なのであった。


またボルネオ島に来ることはあっても、この区間をバスで移動することはないだろう。


こういう旅を一緒にしてくれる、そんな嫁に出逢えたらそれはそれで大歓迎だが、嫁とはビーチ・リゾートで愛を語り合いたい。


遅れが出ていることの埋め合わせか、2000年代初頭にレンタルビデオ屋を席巻していた系統のパニック映画を上映してくれた。

鮫より凶暴な巨大ワニが大暴れするお話。


途中で広告が入ったことで、YouTubeの違法アップロード動画と気付くのだが・・・


炒麺を食べてからそんなに時間が経っていないが、女性客からのリクエストで再びのトイレ休憩に。

ここは5分ほどで出発。


金と時間の都合上 国立公園に行く時間がない中で、せめてボルネオ島の大自然を感じたいと思いついたのが、ブルネイからクチンまでの陸路の旅だった。


猿の一匹も見ることができず、動物的には少々残念ではあるが、ダイナミックは風景を眺められるだけで面白い。


昨晩の20時半頃、プジュット・バスターミナルを出発して、気付けばもう昼前。


もはや夜行バスというより昼間の時間の方が長くなりつつあるが、車窓を眺められるという意味ではありがたい。


↑池


基本的には山間の幹線道路を走るので、たまに町や集落を通ると変化が出る。


スケジュール上はクチンに到着している時間に、最後のトイレ休憩となった。


↑町並み


↑町並み


さて、グーグルマップ上ではここからクチンのバスターミナルまで1時間ほど。ラストスパートだ。


ところで、この長距離ドライブにも関わらず一人のドライバーが交代なしで最後まで運転していた。

シブで2時間くらい休憩があったが、あとは20分程度の小休止を挟みつつ最後まで走り抜けたことになる。


日本で同じ働き方をしたら営業停止だろう。

恐るべし、マレーシアの労働環境。


↑中国寺院


↑車窓


↑車窓


クチンが近くなるにつれ、山の景色から町の景色に変わっていく。

長旅も終わりだ。


と、思ったらバスターミナルまであと少しというところでガソリンスタンドで給油タイム。

Why Malaysian People!!


プジュット・バスターミナルから15時間。

ようやくクチンのバスターミナルに到着した。