【旅行記】2023GW/Day3-4 アミール・ティムール広場の近所をネットの怖い話っぽく歩いてきた

001 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


あれは旅行3日目のことだったと思う。

俺と会社の同期のTは、どこか涼しい場所でコーヒーが飲みたくて町を歩いてたんだ。


世界のトヨタなんて言うが、タシュケントの町では圧倒的にシボレーが人気で、無機質で没個性的なホワイトシボレーが道を埋め尽くしていたことを思い出す。


002 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


「おいD(俺の名前)、見てみろよ」

不意にTが前を指さしながら言った。


鈍い俺はホワイトシボレーに気を取られてて気付かなかったんだが、洋館みたいなカフェがある。

東京生まれのTは第六感っていうのか、こういう良さげなカフェを探すのがうまい。


003 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


俺は少々腹が減ってたから、おやつにオムレツとフルーツ系のアイスティーを注文した。

そう、お察しの通り俺はピザ体型だw


向かいの席に目をやると、Tはアップルパイを睨みつけていた。顔は真っ赤だった(日焼けで)


004 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


「そろそろ宿帰って準備するか?」

「まだ電車まで時間あるべ?もう一箇所くらい観光しようや」


俺たちはそんな会話をしながら地下鉄の駅に歩いてたんだが、手持ちの水が尽きたことに気付いたもんで、Tにお願いして売店に寄ってもらった。


ペットボトルを手に取り、女店主に金を払う。

その時、女店主が一瞬ニヤッとしたような気がしたんだ。あれ?って思ったけど、Tがもう店の外に出てたから、慌てて追いかける。


とにもかくにも俺は喉がカラカラだったから一気に水を流し込んだ。

・・・レモン水を思いきり薄くしたような味をしてる。俺は慌てて水を吐き出した。

泡を吹いて倒れる・・・ことはなかった。


005 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


「お前、炭酸水飲んじまったのけぇ!?」

Tはそんな俺を見てすごい剣幕で・・・いや、ニヤニヤしながら言ったんだ。


あとでネットの海に転がっている文献(旅ブログ)を見て分かったんだが、どうやら中央アジアでは炭酸水がよく飲まれるらしい。


なんで炭酸水を?という疑問は残るが、このブログの趣旨から外れるので深掘りはしない。

この世には知らない方が良いこともある。

それがタシュケントで俺が学んだことだ。


005 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


Tを駅のホームの真ん中に立たせて写真を撮ってみた。ちなみにこれは心霊写真でもなんでもない。


006 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


>>>005 続きはよ


007 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


地下鉄のアミール・ティムール広場駅から地上に出たところで、俺は絶句した。

無機質で巨大な建物が目に飛び込んできたからだ。


俺と違って丁寧に下調べしていたT曰く、ホテルウズベキスタンって名前の老舗ホテルらしい。

俺は結構、旧ソ連的なデザインとか好きなもんで、内心ニヤニヤしてたなw


008 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


ホテルの並びにコンペティションホールがあって、黒い服(スーツ)を着た人たちと警備員で物々しい雰囲気だった。

今思うと、シンポジウムかなにかがあったのかもしれない・・・


009 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


ホテルウズベキスタンの道路を挟んだところにはアミール・ティムール広場って広場があった。

ちょうど夕方の気温が下がり始めた時間だったから、夕涼みの散歩に来る地元の人で賑わってたっけ。


010 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


俺は旅行が好きって言うわりに歴史とかあんま興味がないんだけど、どうもこの銅像のティムールって人はウズベキスタンの英雄らしい。

馬に乗ってんのが中央アジアらしいねーなんて話しながら、俺とTは広場の散策を楽しんだ。


011 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


これはTがネットで調べてくれたんだけど、ホテルウズベキスタンの上の階にカフェがあって、広場を見ながらコーヒー飲めるらしい。


まぁ、タシュケントには旅行の後半に戻ってくるし、その時にOも一緒に行けばいいべってことでこの日はカフェには行かないことにした。


012 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


>>>011 なんか登場人物増えてワロタ


013 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


>>>012 すまんすまん、

説明するの忘れてたけど、俺とTは有給使って一足先に旅行始めたもんで、もう一人の同期は旅行の途中でサマルカンドから合流することになったんだよ。


話を戻すと、俺とTは最後に広場の近くの目抜き通り的な道を散策してから宿に戻ることにした。


・・・これも後から分かったことなんだが、ウズベキスタンにスタバはないみたいなんだ。

じゃあ、このスタバのロゴは・・・


014 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


この道は常時縁日みたいなことになってて、的上げやファストフードの屋台がたくさん並んでる。

だから俺らは、ガキの頃に遊びに行った地元の祭りなんか思い出しながら歩いてたな。


015 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


まぁ、国が違えばその縁日の様子も違う訳で、卓球とかボクシングマシンとか、日本じゃあんまないアトラクションを見ながら楽しく散策したんだよ。


016 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


21世紀の世の中でも日本=サムライなのか、海外の町では武士道って名前の日本料理屋とかを見かけることが多い。(言い忘れたが、俺は剣道三段だ。)


017 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


俺とTは二人とも町歩きが好きだから、観光スポットというよりは地元の人の遊び場、って感じのここを探検するのはなかなか楽しかったよ。


018 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


Tと歩きながら、俺はウズベキスタン行きの航空券を予約した時のことを思い出す。


まぁ俺はお察しの通り非リア充な訳で、大学時代から部活の休みの度に一人で海外に出かけてた。

ありがたいことに友だちと旅行に行くことも多かったけど、海外は一人が多かった。


019 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


だから今回の旅行も、最初はいつもみたいに一人で行く予定だったんだ。

で、チケット取ってルートも考えて、一応家族には言っとくかってことで、実家に帰省した時に両親に話したんだけどさ。

親父は血相変えて「お前、あそこに行くんか!?」って詰め寄ってくるし、母チャンはこの世の終わりみたいな顔で号泣してるし、結構修羅場だったな。


020 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


まぁ○○スタンってだけで危険な国あつかいされちゃうけど実際ウズベキスタンは観光客にも人気だし、親父も俺の旅好きはよく知ってるもんで、

「諦めろ、この子はもう・・・」ってなんとか母チャンを宥めてくれたんだ。


021 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


ここまで読んでくれた人の中には「両親を安心させるために友だちを誘ったんか?」って人もいるかもしれないけど、そうじゃないんだわ。


俺は去年くらいから、少し一人旅に飽き始めたというか、恥を承知で言うと一人で寂しいって思う時間が増えてきたんだ。


022 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


アラサーになっても彼女もいないし、大学時代の連れ達も転勤で県外やら海外やらに行って、人恋しいと感じることが多くなった。


だからTとOのことは、最初はただウズベキスタンに行くことを自慢してるだけだったんだけど、一緒に旅行しないかって、最後の方は結構ムキになって勧誘してた気がするwww


023 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


自分語りはこれくらいにして、Tがタオルやら日用品を買いたいって言うんで、近くにあるショッピングセンターに立ち寄ることにした。


024 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日

ショッピングセンターの前にはハンバーガーのフードカートがあって、結構賑わってたな。


025 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


そうそう、肝心のショッピングセンターはブランド物ばっかりで、俺らが欲しいような日用品は売ってなかった。

だから俺たちは、どうする?宿の近くのコンビニで買えばいいべ、なんて話して、宿に戻ることにした。


宿まではまた地下鉄で帰ってもいいんだけど、都会生まれでネットに詳しいTが配車アプリでササッとYandexタクシーを呼んでくれたんだ。


俺「この時間って道も混んでるだろ?タクシー来るまでどれくらい待つのかな?」

T「・・・そこにいる。」


え?と俺は聞き返した。Tはスマホの画面を険しい顔で見つめて、時々あたりをキョロキョロ見てる。

(嘘だろ・・・)俺は心臓は痛いほどに鳴っていた。


026 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


そう、俺らのタクシーは、俺らが呼ぶ前からここで獲物を待っていたんだ。

まだYandexを使うのは2回目だっていうのに、Tは慣れた様子でスマホの画面をドライバーに見せ、タクシーに乗り込む。


(東京生まれってすげぇ・・・)俺はそう思った。


027 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月28日


こうして俺たちは宿の近所に戻ってきた。

今回は普通に書いたんじゃ盛り上がりに欠けると判断してこんなテイストにしたけど、もし暇があったら残りの旅行記も読んで欲しい。


それが、こんな体験をした俺からの願いだ。

※会話は一部脚色してます。



028 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月29日


以前このスレを立てた者だけど覚えてる人いるかな?

あの時は急にフェードアウトして悪かったな。


この旅は俺にとって忘れられない体験になった。

忘れたくても忘れられない、目を閉じるとあの時のTの、なんとも言えない表情が頭を離れないんだ。


029 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月29日


んで、ここからが本題。

働いてるフロアが違うから、俺はあの旅のあと、Tとは疎遠になっていた。


でもそんなある日、Tからチャットが届いたんだ。


・・・恐ろしい真実に、俺は手が震えた。

視界がぐらぐら揺れて、とても一人では立ってることもできず、その日は早退したぐらいだ。


このことをこのスレで書こうか迷った。

無関係のお前らを巻き込んじまうからだ。


でも、俺はもはや、この真実を自分の中だけで抱えておくことはできない。

これを見た人の人生を壊しちまうかもしれない。

到底許されることではないだろう。

それでも俺は、どうしてもTが告白した秘密を、白日の下に晒したいと思う。


030 朝メシを喰う@世界の町 2023年5月29日


Tは神奈川生まれだったんだ・・・