【旅行記】2019卒業旅行44 我が心の終着点・オフリドへ

今更ながらヒロアカにドハマりしてしまい、勤務時間外のほぼ全てをアニメ視聴に費やしてます。
一気見できるNetflixはやはり神ですね。

[Day44]

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この日は北マケドニア南部、アルバニアとの国境近くのオフリドへ移動する日。

所詮はシーズンオフのリゾート地。そんなに見るところもないだろうし、しっかり早起きして今日一日で観光を終えて明日にはアルバニアに行こう。


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映画だとポールって名前になりそうなオーナー。

快適な宿でした。ありがとう。


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スコピエは個人的にはあまり楽しめなかったが、行くと行かないには大きな違いがある。
軽く街を歩いただけでも良い経験になった。


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・・・が、バスターミナル内のバーの婆にWi-Fiはあるかと尋ねると、ありえない塩対応で。

ブルガリアもスコピエも基本的に良い人ばかりだったが、たまに冷酷な婆に遭遇する。


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気を取り直してバスに乗車。チケットは当日でも問題なく買えた。Wi-Fiは壊れているが気にしない。


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マケドニアも自然豊かな国。
オフリドまでも結構な山道を走る。


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途中、峠のサービスエリアで休憩。
おやつに袋入りのクロワッサンを購入した。


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焼き畑かな?


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お昼頃、無事にオフリドに到着したが・・・


僕はビビりで、新しい町に着くと投宿するまでろくに写真も撮れない。それが治安の良い町でも。

それが、オフリドに関してはバスから町が見えた瞬間に不思議な安心感があったのだ。
第一印象ではセルチュクやゴリスと同じくらい穏やかなのに、それらとは何か違う温かみを感じる。


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この安心感に却って心をかき乱されたので、ひとまず宿泊するゲストハウスにバッグパックを置き、目についたハンバーガースタンドで昼食を摂る。


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どデカいハンバーガーを食べる。味は良い。

・・・が、ここでも不思議と心がざわつくのだ。

店のお母さんや娘さんと、ちょっとした話しをしただけで懐かしさで胸がいっぱいになる。
僕に幼馴染はいないが、もし幼馴染と久しぶりに再会して会話したら、きっとこんな気持ちになるのだろう。


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オフリドの名所と言ったらやはりオフリド湖
宿からも徒歩15分ほどなので、早速行ってみる。


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・・・やはり初めて来たとは思えない町並みだ。

これまで居心地が良いと感じた町、例えば部活の集まりでよく訪れる大泉学園や、台湾留学中に旅行した花蓮や、他にも武蔵境やケアンズなど町の景色もバラバラなのに、それらに近しい何か。


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すぐに着くのが惜しいのか、なぜだか自分を焦らしたくなり、必要以上に時間をかけながら歩く。

オフリドはかつてのブルガリア帝国の首都。
ヨーロッパ最古とも言われるこの湖と、市内に存在する多数の教会が評価され、世界遺産に登録されている。


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シーズンオフのリゾート地はとても静かだ。
もし3年後に小惑星が衝突して地球が滅びるとしたら、最後はこの町で穏やかに暮らしたい。

同時に、残りの約2週間の旅でここを超える場所には巡り会えないと漠然と思う。

僕はこの景色を見るために今回の旅をしたのだ、と。


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到着してまだ1時間も経っていないが、この時点でオフリドにもう一泊することを決めた。

たとえ通り一遍の観光スポットが少なくても、計画より見学できる町が1つ減っても、今はこの町にいたい。


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教会見学は明日にまわすとして、とりあえず旧市街を散策することにする。
正確には、湖の畔の土産物が並ぶ通りをスルーし、坂道にひしめく路地に入り込むのだ。


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基本的には住宅街なので静か。ホテルなどもあるにはあるが、シーズン中ではないのでひっそりとしている。

一方で観光客が少ないからこそ、階段や家の壁に施されたちょっとした装飾や、窓にだらしなく掛けられた洗濯物や、可愛らしい植木鉢など生活の様子が目につく。


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既に、僕の中でオフリドという町は完全無欠の存在に近付いていた。


これまでブログの中で幾度となく好きだと言ってきた、生活感のある町並みや路地歩き。

その好意の新芽のようなものがイスタンブールのアジア側の街を歩いたことで芽生えたのだとしたら、このオフリドでその嗜好が確固たるものになったのだろう。


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夕方の町歩きのため、一度宿に戻って休む。

宿は旧市街や湖から少し離れているが、代わりによりリゾート感のない普通の町を見ることができる。


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気を抜くとすぐに違う通りに入ってしまう。
自制が効かない。


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リゾート地につき無意識のうちに安心感を抱いているのかもしれないが、実際に治安は良好そう。

これは気ままに散歩するために大切なことである。


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少しの休憩後に再び町へ繰り出す。


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夕陽に照らされたオフリド湖

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この灯りの一つ一つに人の営みがあるのだと思うと、結婚したくて堪らなくなる。
3年経った今でも思いは実ってないのが残念だが。


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白鳥


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夜の路地を歩いてみる。
今日はこんな晩飯を食べてるのかな、子どもがテレビを見てるのかな、など妄想したり。


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一生ここを歩いてたいが、髭面の外人が彷徨いていても不審に思われるので、ほどほどに切り上げる。

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夕食は昼と同じハンバーガー屋で。
ポテトがしなっとするのが嫌なので、バンズに挟まず別添えにしてもらった。


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店で食事をしている時、ラジオで流れていた洋楽が妙に耳に残っていた。

ビートルズ以外の洋楽に疎いので曲名まで分からなかったが、社会人2年目のある日、それがクラプトンのChange the Worldだったと知る。


振り返ると、結果的にこの旅が、この時期が僕にとってのChange the Worldだったのだと思う。キザな言い方だけど。

観光地をただ巡る旅から、町歩きメインの旅行へ。
この旅を終えて2日もすれば社員寮に引っ越して、生まれて初めて自分で家事をこなす生活に。

働きたくなかった学生時代から、心ゆくまで働く部署に配属されずに苦悩するようになる心の変化。
ショートカットのボーイッシュな女の子がタイプになるという変化、食べ物の好みの変化。


たった3年でここまで変わることに戸惑うけど、見知らぬ町を歩く際の胸の高鳴りや全能感は今尚変わらない。

今年で28歳、色々と変わらなきゃいけない歳だけど、変化や現状に苦悩することがあれば、その時はオフリドの町を歩いていた僕を思い出したい。