【旅行記】卒業旅行21 人は離れて初めて、そのありがたさが分かるものなのだよ

[Day21]

約一週間、一緒に旅をしてきたサン・サンですが、旅の方向性の違いから本日を以てコンビ解散となります。


一人旅の旅人なんて基本的には我が強くマイペースな存在です。移動のタイミングから写真の撮りどころまで、同行者とペースがちがえばストレス溜まるのは当然。初対面の相手なら尚更です。

さらに、当時恋愛経験のない筆者はサン・サンに対し「歳上なんだからリードしてくれよー」と思っていましたし、反対にサン・サンは「男なんだからリードするアルよ!」と思っていたに違いありません。



まぁ一番の原因は、美術館やギャラリー大好きサン・サンが、早く都会のエレバンに帰りたがったからなんですがね!
一ヶ月くらいエレバンに滞在するみたいですし、ここらで解散することにしたのです。

楽しい思い出をありがとう!謝謝!




僕はもう少しゴリスの田舎暮らしを堪能したかったのでステイ。とは言えやることもないので、昨日に引き続きお父ちゃんの送迎で観光に行くことにしました。




うーん、寂しいですね。

ここ数日は割とサン・サンに振り回されていたのですが、やはり話し相手がいないのな寂しいもの。
中国語も練習させてくれたし・・・




地下帝国の騒がしさに嫌気がさした大槻班長が、どこか静かな海辺の町に行く回を思い出しました。

あると煩わしいし、ないと恋しくなる。
この後も出会い別れを繰り返して、僕の卒業旅行は続くのでしょう。






メランコリックな気持ちに浸っているうちに到着したのがこちら。大昔にここに人が住んでた頃の竪穴住居が残る遺跡的な場所です。




お父ちゃんを残して観光してきます。






うん、岩肌に穴があいています。
何の説明書きもないし・・・つまらんなぁ




竪穴側に渡るための吊り橋がスリリングだったことのみ、強い印象に残っています。

久々に明確な不本意な出費をしましたね。





早々に町に戻りお父ちゃんと解散後、適当なレストランに入って昼食タイム。

キリル文字読めないので適当に安そうなものを頼みましたが、なかなか満足できました。




この旅が終わって二日後には内定先(弊社)の寮に入寮、一週間後には社会人生活がスタートします。

そうなるとストレスフルな生活になるでしょうし、この快適なリビングでまったく過ごすことにしましょう。
旅先でダラダラするのは最高の贅沢です。




ZZZ・・・




あまりにもあんまりなので、夕飯前に軽く散歩に出掛けました。ぶらぶらしましょう。





観光スポットがないと言ってもここは異国。
ただ散歩するだけで色々な発見があります。

てか僕は北区や足立区を散歩するだけで延々と楽しめる自信があるくらいには散歩好きです。






キリスト教を感じさせるスポットがいくつもあります。



旧ソ連っぽい洗濯物の干し方。
ステパナケルトでも見ましたね。




にゃーん



こういう水路って何かいいですよね、みたいなことを新しく旅行記を書く度に言ってる気がします。





アルメニアではこういう感じのコーヒーメーカーみたいなものをよく見る気がします。




恐らくアルメニアのスーパーのチェーン。店名のアララトはアララト山のことで、ノアの箱舟が流れ着いた場所とされています。

ちなみにアララト山はアルメニアではなくトルコの領土です。うーん。
もちろんアルメニアの国境に近いしアルメニアにとっても非常に重要な場所なのですが、距離的にはむしろイラン国境の方が近いみたいですね。





ゴリスは寂れていますが、どこか懐かしくもあります。




歩いていたらおっちゃんに声を掛けられたので、記念撮影させて頂きました。




アルメニアではまだ市場に行ってませんね。





最後に宿の近くの商店でお菓子など買ってお散歩終了。
やっぱり町歩きは楽しいです。





宿に戻ってお楽しみの夕食タイム!




何が食べたいの?とマリエッタに聞かれたので、肉!と雑極まりない回答をしました。

結果的に供されたのはメンチカツ的な料理とピラフ。
こんなの美味しいに決まってるじゃあないか。




マリエッタが手作りした小物やワインなどが、お土産として売られています。




ブッキングドットコムの査定でもご覧の高評価。
Aregak B&Bはすごいゲストハウスです。




食後リビングでまったりしていると、マリエッタが近所のラバッシュ工房に連れて行ってくれました。

ここのラバッシュは大層有名で、アルメニア中に出荷されているのだとか。




こういう大人の社会科学は大好きです。





できたてを試食させて頂きました。
冷めきったやつをイランで食べて低評価をくだしていましたが、流石に焼きたては美味しい!

アルメニア中で支持されているのも納得です。




結構な夜遅くにも関わらず、おばちゃん三人がハキハキ働かれていました。
素晴らしい連携技を見学でき目にも満足です。
ありがとうございました!



帰り道、雪が降る中を歩いているとマリエッタが手を繋いできました。
当然ながら、お袋と手を繋ぐなど小学校の低学年以来していません。



筆者の家族仲は周囲と比べても非常に良好だと思いますし反抗期もなかったですが、中学以降は親とじっくり話すことも減った気がします。

そして家族とゆっくり過ごせる最後の時間を、こうして僕は旅に使っている。
神奈川と埼玉なんて近いけど、休みの日は遊び回るせいで実家にもそう帰らないことは容易に想像できます。
なんと親不孝な息子でしょう。



久々に感じる人の温もりと、もう今まで通りには会えない親への想い。
ゴリス最後の夜はそんな感じでセンチメンタルにふけていけのでした。



Best regards,
ベアー大熊