[Day13]
モヤモヤした気持ちを残しながら目を覚ますと、そこは雪国でした。
これまで中東=暑いという固定観念がありましたが、イランはとっても広い国。面積は日本の三倍もあります。
先日までいたフーゼスタン州だと夏場は50℃にまで到達し、イラン北東部には砂漠が広がっています。
一方でトルコやアルメニアとの国境地帯にまで行くとこのような豪雪地帯になり、また北部のラムサールはその名の通りラムサール条約の名前の由来になった都市で湿原が広がっている。
この四季の移り変わりや豊富な自然は日本に通ずるところがありますね。
さて、バスは目的地であるアルダビールに到着。
すぐ町に行っても宿に入れないでしょうし、バスターミナルでコーヒーを頂いたりトイレを済ませたりして時間を潰しました。
ちなみに、僕がイランで遭遇したトイレのざっくり四割くらいはスクワット式、つまり和式トイレです。
衛生的に抵抗感がありましたが、イランのトイレは非常にしっかり清掃されていましたね。
少なくとも東南アジアや台湾のトイレと比べると清潔感は圧勝です。
安宿が集まる町の中心までは結構距離がありますが、僕は流しのタクシーを一切信用していないのでもちろん歩きです。親切なおっちゃんに道を教えてもらい、雪の中30分間とぼとぼ歩きました。
少々迷いましたが、ブログで見つけたオフォグフ・ホステルに到着。
空き室あり無事にチェックインできました。トイレがスクワット式でWiFiが少々使いにくいものの、部屋はしっかり暖かく快適です。
近くの食堂で昼食。
しかしこれは・・・バターが多過ぎ・・・
さて、アルダビールに近いサル・エインという町はイラン屈指の温泉郷として知られています。僕がアルダビールに来た目的もこれ。
アルダビールのどこかの交差点からミニバスか乗り合いタクシーが出ているみたいなので、その交差点はどこか食堂のオーナーに聞いてみました。
と言うより、オーナーがこの後どこに観光に行くのか聞いてきた感じです。
僕「サル・エイン行きたいんだけど、バスが出てる交差点を教えてくれない?」
オ「おお、それなら俺がタクシーを呼んであげるよ!」
僕「ん、タクシーは高いからミニバスで行きたくて。バス乗り場を教えてもらえますか?」
オ「知り合いのタクシー呼ぶから!タクシー!タクシー!タクシー!」
僕「あ、いやだからタクシーは・・・」
オ「もしもし?日本人がタクシーに乗りたいm」
僕「だからタクシー嫌だって言ってんだろ!」
オ「(´;ω;`)」
結局乗り場が分からなかったので、宿でタクシーを手配して行くことに。
タクシーが高い言っても距離を考えたら日本の感覚だと格安です。
ただ地元の人が使うような安い交通機関があるならそっちを使った方が楽しいですし、メーター使ってるかとか、ボラれないかとかで気を張るのはめんどい。
友だちのタクシーは信用しないと決めたし。
結果的にタクシーに乗ったもののそれは他に手段がないことが判明したからであって、可能性があるうちは公共交通で行く方法を探したい。それに対して「公共交通はないよ」と言ってくれたらディスカッションができる。
ただ、食堂の彼はその辺の説明なく、友人のタクシーを呼ぶという自己中心的な熱い使命感に則って暴走したに過ぎません。旅人を助けろという教えがあるのかもしれませんが、僕が神様なら相手の気持ちを無視するような人を救済したくないなー
ここ数日で感じたイラン人の独善性やバイタリティについて考えている間に無事にサル・エインに到着。
あ、タクシーのおっちゃんは実直で素晴らしい方でしたよ。もちろん最初の取り決めの運賃でしたし。
温泉言うてもここはイラン。すっぽんぽんで入浴する訳にはいかないので、適当な店で海パンを購入しました。
この海パン、色々な出来事があったアルダビール滞在を偲ぶために日本に持ち帰りましたが、社会人三年目の今でも「同期の女の子と海に・・・」などと言うイベントはないので押入れに封印しています。
非リア充の己を呪う他ありません。
さて、温泉は写真NGなので、ここからは文章での解説になります。
地球の歩き方に掲載されていた中から適当な温泉を選んで入場。ロッカーで着替えて露天風呂に突入します。
当然ながら男女混浴ではない!
スタイル抜群、エキゾチックなイラン美女の素肌・・・ではなく素顔を拝見したかったので、残念でなりません。
湯加減はと言うと、そもそもサル・エイン自体が寒いので実に丁度良い、僕好みのぬるま湯に。
文字通り旅で蓄積された垢が落ちていき極楽極楽。
そして広い!円形広場がすっぽり入るくらいの広さがあります。
イランの青空を眺めながらボーッと湯に浸かったり、泳ぎ回りながらベスト・プレイスを探したり。
至福の時間を過ごせました。
問題なのなここからです。
アルダビールまでのバスや乗り合いタクシー探してたら偽ポリス達に絡まれたんですよ!!
パトカーでも何でもない普通の車に乗ってる「警官」のことなんて信じる訳ないだろハゲ!
断固としてパスポートの開示を拒否して目についたホテルに避難。スタッフに事情を話すと快くタクシーを呼んでくれ、無事に行きと同じ運賃でアルダビールに帰還できました。
・・・ただこの体験で、それまでイランに対して抱いていたヘイトが爆発。完全にバッドに入ってしまったのだった・・・
楽しい楽しいバザール歩きも、この日ばかりは集中できません。ネガティブなことばかり浮かびます。
普通の人はほんっとうに、こちらがひれ伏すほどの善人ばかりなんです。
ただ、一部の連中のクセが強過ぎるのです。
外食する気力もなく、商店でお菓子を買って宿で味気ない夕食にします。
好き嫌いで言うとイランは好きです。
異国情緒満載なバザール、現地民との談笑、美しい宗教建築。そのどれもが強烈な思い出になっています。
でも、押しの強さと言うか、こちらの方針や状況を無視して「自分が決め込んだ」best solutionをなんの説明もなく力説される点については・・・
イラン、苦手です。