【旅行記】卒業旅行7 日系メーカーの大熊くん〜タクシー大事件〜

映画好きな女の子と、結婚したい。

※今日の記事は文字多めです。


[Day7]

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僕が乗ったバスは早朝にイラン南部のアフヴァーズという街に到着。

このアフヴァーズですが、イラクとの国境に近いこともありイラン・イラク戦争の際は激戦地となりました。
そういった背景からか、日本外務省はアフヴァーズを危険レベル3、「渡航は止めてください」と設定しています。

まぁ、僕の目的地は近郊の町。可及的速やかにアフヴァーズを離れれば問題ないでしょう。

バスターミナルの食堂で朝メシを食べ、近距離用バスターミナルに向かいましょうか。




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えー、と。

隣の席だったイラン人が「どこに行きたいの?」「タクシー呼んであげる!」と翻訳アプリ片手にぐいぐい来るわ来るわ。

「俺はまず飯を食べたい」「タクシーは嫌いだ」「まずは市バスで近距離バスターミナルに行き、そこから目的地までのバスに乗り換えるのだ」と彼の翻訳アプリ、そして強い言葉で訴えますが、

イラン人「君はイラン人を信じられないの?(;_;)」

こういうの本当に嫌なんだよな・・・

アフヴァーズは観光地ではないですし、観光客を餌にする詐欺師ではないと思います。彼の身なり等からしても彼は危険人物ではないでしょう。
恐らくはムスリム特有の「旅人を助けろ」精神に基づく善意のはず。そこは旅行者の勘です。

しかし、僕にとっての「親切」は「乗るべき市バスを教えてくれる」、そして「放っといてと言ったら放っといてくれ」だけ。他のことは求めていません。

「人の善意を無下にするな!」とか言う人もいるでしょうが、わざわざ一人旅をしているんだから自分のタイミングというものを大事にしたいんですよ。

とは言え、一度正義に目覚めたイラン人は本当にしつこい。寝不足の頭で断り続けるのも面倒になってきましたし、流される形で彼の友人のタクシーに乗ることに。



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そんなこんなで友人ホセのタクシーに乗ります。

安全云々はシチュエーション的にはヤバい気もしますが、前述のようにまぁ大丈夫でしょう。
念のため海外ローミングサービスを利用してSNSなどで現状を報告、有事の際に備えました。

そして肝心の値段ですが、歩き方曰くアフヴァーズから乗り合いタクシーで目的地まで一人100円ほど。一台貸し切ると500円みたいです。
なので僕も300円から500円しか払わんからな?ということを強調すると30000リアル≒300円で行ってくれるとホセは言います。



・・・まぁ距離を考えたら妥当な値段。
そこは価値のあるものには金を払うのが人の道です。


ホセはガソリンスタンドに寄ると言います。
まぁ、安く行ってくれるのだから良いです。

ホセはタバコを吸うために勝手に休憩します。
まぁ、安く行ってくれるのだから良いです。

ホセは僕をインスタライブ的なものに出演させます。
まぁ、安く行ってくれるのだから良いです。




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だいぶ時間をロスしたものの、目的のシューシュタルに到着。
色々疑ってしまったけど結果オーライ!
またイラン人の優しさに触れられました!
約束の30000リヤルに、友好の印の手拭いをつけて贈呈しましょう!!!



ホセ「100000リヤルだよ・・・」

あのさぁ・・・

タクシーに一時間乗ってますから、日本なら1万近くするでしょう。それに比べたら1000円は格安。

でも、ここイランは乗り合いタクシーなら100円で移動できる国です。
だから、500円より高いなら俺は乗り合いタクシー使うからね?と何回も何回も確認して、それに対してイエスの返事をもらったから彼のタクシーで移動した訳です。

彼曰く「それはこのタクシーを三人で貸し切った場合の一人分の値段って意味だったのに・・・」ですが、
こちとら一人なのに三人分で貸し切った時の値段なんて聞くか??頭悪いのか?うん?
そもそも歩き方の値段より高いしな!!


その後もガソリン代ガーなど言いますが、その値段設定は納得できます。だからこそ、そんなうまい話ないよね?ってことで何回も確認したんだから。

とは言え距離を考えたら1000円なんて少額。
それに乗ったものは払わなきゃなりません。  

ただこれは言わば紳士協定を破られた訳ですからね。
友好の印の手拭いは剥奪し、ブチギレながらタクシーを後にしました。




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まぁ、今考えたら大人気なかったです。
1000円なんて旅行が終わって働き始めたらすぐに稼げる金額ですしね。

でも300円あれば旨い定食が食べれ、数百円で長距離を移動できる国での1000円の価値は重い。

それに、納得して払うのと騙されて払うのとでは意味が違います。


こうして僕は、
「イラン人のペースには巻き込まれないようにする」
「信用できる宿が手配したタクシーにしか乗らない」
をマイルールとするのだった・・・



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気持ちを切り替えてまずは宿に行きましょう。



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とんでもない掘り出し物件を見つけてしまった。

宿の名前はシューシュタル・ブティック
地球の歩き方にも乗っています。


安い部屋は空いてませんでしたが、個室で朝食付きで2000円ほど。しかもご覧の高級感です。

ほんと、金は価値あるものに納得して使うべきですね。



さて、シューシュタルはあるものが有名です。
僕は地球の歩き方の写真に一目惚れして、このマイナーな町までやってきたのです。それはこちら。







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シューシュタルはサーサーン朝の時代に作られた水利施設が残存することで知られており、その水利施設は世界遺産にも登録されています。

僕は水辺が大好き。
この立体感のある水利施設に魅了されたので、観光が楽しみでなりません。
それでは行きましょう!






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どうやら数日前の雨で水が激濁りしてるみたいです。
これが地球の歩き方トラップか・・・

水はまぁ良いとして、工事の関係で中心部に入れないにも関わらず入場料50000リヤルのままは頂けませんねぇ。
※イランの観光地はだいたい50000リヤルに設定されている。ペルポリなどは流石にもう少し高い。


そこで、ここにいる三日間、このチケットで入らせてくれよーとゴネたらあっさりOKしてくれました。

言ってみるものですね。




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気疲れもあるので、この日の観光は控え目にして先に用事を済ませることに。

バスターミナルで次の街へのチケットを買いに、タクシーを使わずに移動します。



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二日後の夜行バスでエスファハンに行きます。
当日でも買えるのでしょうが、一ヶ月後に行くトルコで留学生の友人と会うので、それまでは緻密にいきましょう。こんな僕に会いたいと言ってくれたんだ、友人と会うのが優先です。




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30分くらい歩いて水利施設に出戻り。
雨の夜でした。



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飯屋がなかなか見つからず、昼間に続いてファストフードを食べることに。
数席しかない小さなスタンドです。



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安いけどひもじいっすねぇ。

色んなブログ読みましたが、皆さんイランでの外食には苦労しているみたいですね。
店がなかなか見つからなかったり、ファストフードばかりになったり。

反対にコミュ力あって一般人のお宅に招かれた方は家庭的な煮込みなど食べたみたいですが、コミュ障には難しいっすねー


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雑貨屋でインスタントコーヒー購入。
安くて甘くて旨い。

綻びも出始めましたが、明日も張り切って観光を楽しみましょう。



Best regards,

ベアー大熊