[Day6]
夜行バスで次の町へと向かうので、シーラーズにいられるのは今日が最後。
とても居心地の良い町なので惜しい気もしますが、今回はなるべく多くの町を見たいという欲が勝ちました。
宿から15分くらい歩いてマスジェデ・ナスィーロル・モスクに到着。ちょうど9時の開場時間くらいです。
さて、このモスクですが日本人にはピンクモスクの愛称で知られています。
その理由とは。
これです。まぁ例によって例のごとく?サムネの時点でバレてんですがね。
ブロガーはサムネで釣らな始まらんのです。
連続するステンドグラスがこのような美しくも摩訶不思議な空間を形成しています。
当時の筆者のInstagramはほぼ置き物状態でしたが、これぞまさにお手本のようなインスタ映えでしょう。
見学者はどちらかというとイラン人が中心。
というかイランではあまり外国人旅行者に会いませんでした。
なお、この華麗なる万華鏡は冬の朝にしかその姿を拝めません。
もちろんモスクなので建物自体は年中オープンしていますが、日光や開放時間の関係で一般客はアクセスできないのです。
この辺は観光要素0、入場料なしの真に純粋な礼拝用モスクとの違いでしょう。
まぁ、管理費もなければこのような素晴らしい景色も見れなくなるので、ある程度お金を徴収するのは全然ありだと思います。
トルコと違ってコストパフォーマンスは優れてますし。
宿に戻って遅めの朝メシ。
肉製品はないけれど卵、乳製品、フルーツに野菜と充実したバイキングでした。
夜行バスまでは十分に時間があるので、のんびり市内観光でもしましょう。
宿の近くのボゾルグ・アフマディーのバスターミナルから市バスに乗ります。
乗車賃は確か30円ほどと記憶していますが、安いなんてレベルじゃないですよね・・・
イランは敬虔なムスリムの国。バスの中であっても男女で席が分かれています。また、お年寄りをとても大事にしているという印象です。
ハーフェズ廟にやって参りました。
歩き方先生曰く「イランで最も偉大で、敬愛されている抒情詩人」のハーフェズが眠っている場所です。
あの東屋的なサムシングの下にある長方形の物体がハーフェズの石棺です。
棺には作品である詩が刻まれています。
ちなみにハーフェズは本名ではなく、「クルアーンの暗唱者」の意味の通名だと歩き方先生が言っています。
大学でペルシャ語でもやってれば非常に興味深い場所だと思うのですが・・・
すいません、チャイ語のベイ暗唱者の筆者には分からんです・・・
廟の近くを散歩していたら良さげやケバブ屋を見かけたので、昼飯でも食べましょう。
と言うか、工房や車の修理所ばかりで飯屋がなかなか見つからなかったんです。
頼むのはお馴染みチェロウ(ライスと)とケバブだから良いとして・・・値段が分かりませんねぇ・・
まぁ、イランは外国人旅行者にとっては物価安いですし、こんな住宅街の食堂でボラれることもないだろうし問題ないでしょう。適当に指指しで注文します。
僕も家庭を持ちたい。
無事にお目当てのチェロウ・モルグを注文できました。モルグは鶏肉の意味。米の中に埋まっています。
これで300円は・・・価格破壊だろ・・・
さっきの店はどうも持ち帰り専用だったようで、仕方ないので近くの公園のベンチで食べることにしました。
この公園で飯を食べた旅行客なんて僕くらいでしょうね。
あらら?
猫は本当に可愛いです。
猫が好きな女性はもっと可愛いし、猫目の女性はもっともっと可愛い。
ところで、物価に言及する度に「外国人旅行客にとっては」と枕詞をつけていたのには理由があります。
例えば、地球の歩き方イラン(2017〜2018、最新版)には、「町の食堂でチェロウ・キャバーブとコーラで800円くらい」と書いてますが、現地を旅した者からするとこれは明らかに高い。
その理由は実勢レート。
闇両替とはまた違うと思うので叩かないでくださいね!
イランがアメリカと仲が悪いのは周知の通り。
それはすなわち、国際的に最も信用度の高いと言える米ドルを入手する機会が乏しくなるとも言えます。
故に僕が旅行した当時は米ドルの価値がべらぼうに高く、公定レートよりもはるかに有利なレートで大量のリヤルをゲットできました。
ざっくりとイランリアルから0を4つ取ったのが米ドルでの値段に。言い換えると0を2つ取る日本円での値段となります。
要はイランの物価はもちろんイランの世情を鑑みてコントロールされる訳ですが、旅行者的には価値の高い米ドルから両替して大量のリアルをゲットできるので、ある種の錬金術となる訳ですね。
僕もホテルや町の両替所、時に雑貨屋などで両替してレートに多少のバラツキはあれど、かなりお得に旅できたと思います。
やばいやばい、長くなり過ぎると誰も読まないのでここからは端折りましょう。
どうせ安いやろ!とタクシーに乗ってエラム庭園にやって来ました。「ペルシャ式庭園」の一角として世界遺産にも登録されています。
まぁ、冬だし花は咲いてませんよね。
イランは決して「砂漠の国」ではありません。
もちろん砂漠や荒野も多いけど、それだけじゃない。
例えば農作物の豊かについては、バザールでの品揃えや朝食のバリエーションでもお分かりになると思います。
また、ラムサール条約のラムサールとは実はイラン北部の町。湿地帯に関する条約の名前に採用されるくらいなので、場所によっては緑豊かなのです。
今回は園内の宮殿を愛でただけで良しとしましょう。
エラム庭園も先のハーフェズ廟も、シーズンに訪れたらきっとバラが美しいと思います。
でも、そうするとピンクモスクの万華鏡が見られないので、そこはもう来た時に見れる物を楽しむしかないですよね。名残り惜しければまた行けばいい。
帰りのタクシーで若干のボッタクリを受けながらも無事に宿に帰還。ここで、入れ替わりでチェックインした日本人の男の子と少し会話しました。
タイミングが合えばご飯くらい食べたかったですね。
快適な宿の中庭で夜行バスの時間まで休憩。
宿のレストランで、後輩オススメのタ・チーンを注文してみました。
ターメリックやサフランを遣った米料理で、
ケーキの形をしています。
これは・・・ぉぉう・・・甘酸っぱい・・・う・・・うーん・・・
ゲームに興じるスタッフと宿泊客。
イラン人スタッフとアルゼンチン人旅行者と筆者。
Niayshは歴代に泊まったゲストハウスの中でもトップクラスの宿でした。
コロナが終わってイランを旅できたら、またここに泊まって宿泊記を書きたいです。
本当にオススメ!お世話になりました!
宿で手配した格安タクシーでバスターミナルへ向かいます。運転手さん良い人でした。
バスターミナルは賑やか。
これに乗ります。
おおおおおお!豪華っすね!
軽食のサービスもあり。
夕飯を食べ足りないので、とてもありがたい。
バスは荒野の中をぐいぐい進みます。
日も変わる頃、どこかの町のどこかのモスクでトイレ&礼拝休憩。
シーラーズはイラン旅の先鋒として相応しい、素晴らしい場所でした。
きっと、この先も楽しい思い出がたくさんできることでしょう。
・・・この時の筆者は、イランから早く脱出したいと願うことになるなど思いもよらなかった・・・