前回の旅行記
[Day3]
この旅行も早くも最終日なので、とりあえず早々に荷造りしてチェックアウトします。
旅館を改築した雰囲気ある良いゲストハウスでした。
また泊まらせてもらいます!
前日同様にローソンで朝飯を調達してから佐和田バスステーションに向かいます。
やはり国内旅行の朝飯は温泉旅館に泊まらない限り、どうしてもコンビニ飯になってしまいますね。
石川旅行の時のように、近くに市場などあれば朝から土地のものが味わえるのですが。
Perchは素晴らしいゲストハウスでしたが、チェックアウト後の荷物預けができないのでこの日はバッグパックを背負っての観光になります。
40分ほどで佐渡金山跡に到着。
佐渡は日本でも有数のゴールドラッシュで栄えた場所であり、4つの鉱山が稼働していました。
ここ相川地区の鉱山は特に規模が大きかったものの、資源枯渇のため平成元年をもって稼働終了。
今は一部の坑道が観光ルートとして開放されています。
個人旅行者が自由に見学できるのは、江戸時代の採掘作業を再現した宗太夫坑コースと、近代産業たる明治時代の坑道を歩ける道遊坑コースの2つです。
それぞれ900円ですが、2コースの共通券だと1400円になるので当然共通券を購入。
まずは宗太夫坑コースから見学します。
荷物がある人は素直にコインロッカーに預けましょう。
坑道に入るのは初めてなのでテンション上がりますね〜
そして寒い!
坑道内は夏場でも10℃程度みたいですね。
他の鉱山はこの相川のものほどは観光地として活用されていませんが、小木から佐和田に帰る途中に通過した場所では砂金採り体験ができるみたいです。
なお、現在はこの相川の鉱山はゴールデン佐渡という三菱マテリアルの子会社が運営されています。
鉱山ですので、やはり湧き出る水の処理が非常に重要となります。
彼のアルキメデスが考案したアルキメデスポンプを元にした水上輪を用いて水を汲み出していたみたいです。
なお僕は力学やら機械工学を嫌悪していますが、このような場で学ぶ分には抵抗感がありません。
鉱山には当然ながら様々な職種がありますが、やはり単純労働ではないスキルフルな職種や、特に危険であったり二交替を伴う勤務は待遇が良かったそうです。
こういう話を聞くとどうしても工場での現場研修を思い出してしまいます。
金を掘る人、水を汲み出す人、入山する人の検査をする人、現場監督などなどここには書ききれないほど多くの職種が存在していました。
休憩室。
際立った技術を要する役職の人はこの休憩室で寝転んでの休憩を許されるなど、給料以外の点でも優遇されていました。
また4時間交代での勤務と聞くと一見楽なように思えますが、機械などほぼない時代の肉体労働4時間の過酷さは想像に難くありません。
身寄りのない人や孤児なども採用していたみたいですね。
坑道が開通した時の儀式の様子。
新しい坑道での採掘が成功するための祈りの儀ですが、どことなく20世紀少年っぽい不気味さを感じてしまいます。
こんな感じの宗太夫坑コース見学でした。
登場人物が多く咀嚼に時間がかかりましたが、やはりこうやって展示が工夫されていると理解も深くなりますね。
例によってバスの本数も限られているので、続けて道遊坑コースも見学しちゃいましょう。
言うまでもなく我々旅行者が見学できる坑道はほんの一部分。
坑道の総距離は400kmとすごいことになっており、これは佐渡から東京の距離に匹敵するみたいです。
ちなみに道遊坑では宗太夫坑コースとは異なり音声による解説が流れていますが、アイランドミラージュなるアトラクションが開催されている時間は音声が流れません。
しっかり解説を聞いて理解を深めたい人はアイランドミラージュが実施されていない時を狙うといいでしょう。
公式ホームページによるとプロジェクトマッピングなどを駆使したファンタジー要素の強いウォークスルー型アトラクションとのことですが、個人的に鉱山でこれをやる必要はあるのかな??と思います。
値段も3000円とお高いですし・・・
普通に鉱山について学ぶだけでも充分興味深く、楽しいと思いますよ。
鉱山で酒作ってるんですか!
これは飲んでみたい!
採掘した金銀を運搬するための電気機関車(バッテリートロッコ)の線路。
先ほどの宗太夫坑コースは江戸時代を再現したものでしたが、明治になって相当に技術力が進歩したことが分かりますね。
機械化によってこれほど大きい穴を掘れるようになりました。
なんとなく、デモナータ(ダレン・シャン氏による傑作ダークファンタジー)に登場する悪魔のトンネルを思い出します。
電気機関車。
今で言う三菱グループの会社が作っていたみたいですね。
道遊坑コースは、坑道を歩く時間はそこまで長くありません。
外に出るといきなりすごい物体が目に飛び込んできます。
これは西洋式の竪坑(たてこう)といい、ある意味で坑道の一種。
要はエレベーターのようになっていて採掘物を地上に運搬するのに用いられていました。
機械化が進んだことで作業効率や採掘量が大幅に上がったことは容易に想像できますし、宗太夫坑コースから見学すると時の流れを感じますね。
道遊坑の出口から徒歩10分ほど歩きます。
こちらが佐渡金山跡のハイライトである道遊の割戸。
金脈を彫り進めるうちに山が割れてしまった訳ですが、スケールが大き過ぎてどんな彫り方をしたらそうなるのか正直想像もつきません。
それだけ金の採掘が一大産業だったことの証左ですが、同時に開発が自然を壊すことのエビデンスを突きつけられている気分になりますね・・・
割戸の様子が分かるフォトスポット。
道遊坑コースもかなりの見応えがありました。
バスまでの残り時間を使って急いで資料館を見学。
入場料はどちからのコースに込みです。
30秒以内に金の延べ棒を穴から出すチャレンジ。
余裕やろwと思っていましたが、持ち上げることすらできず時間切れになりました(´;ω;`)
こんな感じで大満足の見学となりました。
当時の産業について学べて有意義ではありましたが、欲を言えばもっとマシン的なサムシングや、産業遺跡的な場所も見たかったですね。
そういった場所を巡るバスツアーもあるみたいですが10人くらいのグループでないと申し込めないみたいなので・・・
2人グループから参加できる、ガイド付きで無名の坑道を歩くハードなコースもあるみたいですし、また佐渡に来る機会があればこちらも再訪したいと思います。